HOME
平成12年度 前橋工科大学 公開講座 [炭素繊維と水圏浄化技術(梅津 剛)]資料

平成12年10月21日

炭素繊維を用いた養魚・水陸性小生物の飼育について

1-1概要

この研究は、炭素繊維の生物親和性に着目し、養魚・活魚槽や、蛍などの水陸性生物の飼育装置の開発を行ったものである。

テーマのとりかかりは、平成9年4月よりグッピーの飼育を行うことから始まっている。
その目的は、狭い水槽内でいかに多くの生物を飼育できるか、またその際にどのような問題が生じるのかを解明しようとするものであった。
水槽の片隅にストランドな炭素繊維を吊り下げ、汚泥(微生物塊)を付着させ、もう片隅で強い曝気を行う(図1-1)。
 

この水槽では、微生物の活性が強く、餌であるミジンコなどが豊富に存在するために、グッピーは病気になりにくく、また有機物やアンモニア性窒素などに関した水質が悪化しない。

そのため60cm水槽(容積60L)で500匹ほどの個体にまで繁殖した。
毎日、粉ミルクを大さじ一杯程度投与するが、これはグッピーへのためというよりも汚泥(微生物塊)への餌として与えるものである。
すなわち微生物からグッピーに至るまでの食物連鎖を形成し、生態系を確立させる形を理想とした。
 


    図 1-2 グッピーの飼育水槽

この事例をきっかけとして、本研究では炭素繊維に汚泥が付着するメカニズムと長さや形状などに関する基礎実験を行った。

ストランドな炭素繊維を、両端固定や底置き立ち上げ方式などの固定方法、本数、長さを替えた汚泥の付着実験など、汚泥の付着量や付着速度などに関する知見を得るためにさまざまに実行した。
炭素繊維は1本が7ミクロンと細く、数万本もの集合体として水中に浮遊することから、微生物の付着効率の指標として表面積を考えることができる。
しかし、実際に汚泥が大量に付着してゆく状況を観察すると、一本一本の繊維が独立して揺らぐ状態を維持することは難しい。
図1-3の様に加工したものは、数万本の炭素繊維が揺るやかにかみ合いながら、その表面ばかりでなく隙間にも、汚泥が入り込んで凝集・固着してゆく効果が観察される。

ただ吊り下げただけでは水中で広がらず、また空隙も出来にくい。炭素繊維が水中で作りうる「空隙の広さ」が付着汚泥量を左右する最も重要な要素であることが観察された。

さまざまな設置方法の中から本研究では、ストランドな繊維が流れ場で絡まない長さとして10cmから30cm程度であること、また本数に関しては、50万本から200万本程度のものをユニットとして考えた。

それまで、水中で揺らぎながら繊維の間隔を広げようとしていた方法から、新しく空中で乾燥状態のうちに間隙を作るという方法を提案し、図1-3に示すような傘状に開いた形状をあらかじめ作成した物を水中に沈めるという手法を考案した。
 


この形状をユニットとし、水中空間に設置することによって、極めて高速でかつ多量の汚泥を付着させることが可能となった。

またその持続力も大きく、ユニットを多連して設置できるために応用性が広い。
この設置方法を基本として、ストランドな炭素繊維は河川・池水浄化、排水処理などに応用された。
またこのような状態を工業的に製作する手法が今日では開発されている。

さらに本研究では炭素繊維を用いて、好気処理としての接触濾材の利用ばかりでなく、水中の窒素を気化して除去する脱窒装置の開発を行った。

好気処理と嫌気処理を槽分割したこの手法によって、硝酸塩を窒素ガスとして排除し、窒素の水中蓄積を押さえることによって、さらに長期に渡って水換えの必要がないものとした。
稚魚の保護、隠れ家など様々な目的で炭素繊維を用いた90cm水槽(容積約150L)内には約1,000匹以上のグッピーが生息するまでに至った(図1-4)。

一方、蛍の飼育に関しては、平成9年春より幼虫の飼育を開始した。

炭素繊維で作られたフェルト状のものやマット状のものが存在することを知り、それまでストランドとして用い、水中に吊すことが主であった炭素繊維を、水底、土中そして陸上といった場所に応用し、産卵槽、幼虫飼育槽、上陸槽と分けて飼育される従来の方法を用いずに、その全てが行われる装置の開発に着手した。
水質浄化の濾材、砂と土の分離のための透水性膜濾過、幼虫の隠れ場、そして産卵床としての利用、これらの機能を全て、炭素繊維マットで作る陸地が行うものである。
平成10年7月に完成した蛍の飼育装置は、水槽内を完全な閉鎖空間とし、水陸空を構成した。
そして摂氏18度から28度ほどの室温内で飼育したところ、わずか4ヶ月間の短期間で成虫となり、その後も槽内で繁殖を続け、今日に至るまで夏冬を問わず毎日成虫を見ることが可能となっている。

炭素繊維のフェルト・マット状のものは、原材料や処理温度、厚み、嵩密度、構造などの差によって様々な種類がある。

フィルター、断熱・クッション材などに用いられるこれらの製品を、直接水環境問題に用いる場合、それに適合した製品を選択しなければならない。
このところがストランド炭素繊維の場合ときわめて異なる点である。
本研究では、ピッチ系の炭素繊維を使用した、クッション材として用いられる嵩密度10kg/m3で厚みが5cmのものを選択している。
その理由は嵩高(かさだか)な構造のため、面方向ではなく厚み方向に水を浸透させることができるからである。
この製品の厚みに対する弾性を利用して、マットを槽内に縦に挟み込み、その内部に水を透過させるという方法によって、脱窒機能も有する、水陸性生物の飼育装置を考案した。
単に挟み込むだけで容易に浸透濾過域が形成され、また同時にこの上部は陸となる。
この方法では、面でなく、厚みを用いた体積濾過を行うため、汚泥やゴミで面が完全につまらず、透水性が長期にわたって維持されている。

また、炭素繊維を嵩状に積み重ね、さらに圧延して固められた板状のものがある。これは断熱材として使用されている物であるが、本研究ではこの素材の水環境への応用にも注目している。

さらに、この板を加工する際にぼろぼろと欠け落ちて発生する炭素繊維の粉を汚泥に混入させ、流動床として用いる手法を考案した。

これにより汚泥の粘着性を押さえ物理的性質を改良し、高性能な脱窒装置を開発した。
これは炭素繊維廃棄物の再利用としても考えることができる。

その他、下水処理装置、蒸留水精製装置、物理濾過装置、池水浄化装置、植生への活用など様々な分野に対して応用し実験を行っている。本論では、その中で生物飼育に関して行った内容について、以下に概要を述べるものである。

1-2.  炭素繊維と炭素繊維マットを用いた脱窒装置

水環境問題では、見た目の水の綺麗さとして、透視度を改善する手法が第一に要求される。

しかし、自然保護という観点から見た場合には、透視度のみならず生物の生存できる水質が要求されることは言うまでもない。
さらに、水質のみが水中生物環境作るのではなく、産卵場や稚魚の隠れ家、流れの速いところ遅いところ、様々な形状物理的、流体挙動的な特性が要求される。

水質に関しての改善方法は、物理濾過、生物化学濾過、窒素除去、稚魚の保護のための水槽内の構造などに分類される。

飼育魚の排泄物や餌の食べ残しなどに含まれる有害なアンモニア性窒素は、微生物の好気的分解作用によって硝酸塩となり、水中で安定な形となる。
飼育本によれば、硝酸塩の濃度は50mg/Lまでが限界とされており、一般的にこの硝酸塩を除去することが水換えの主目的である。
しかし一旦硝酸塩が高濃度になった水は水換えの効果が出にくく、また1トンを越えるような水槽での水換えは、膨大な作業と経費を必要とする。
本研究で行っているグッピーの密集飼育槽では、90cm水槽に1000匹を越える個体が生息し、餌は10g/日与え、硝酸塩濃度の増加は、日あたり2〜4mg/Lとなる。
したがって脱窒を行わない場合には、1ヶ月も放置すると濃度は70mg/Lを越え、グッピーは外傷がみられないままふらふらと中毒死する。
このような膨大なグッピーを生息させるためには、頻繁に水換えを行うか、または窒素除去を行う何らかの手法を投じなければならないことが明らかである。

このような経過から本研究では、養魚のための脱窒装置として以下の3種類の装置を考案した。

1-2-1炭素繊維を吊り下げた脱窒塔

ストランドな炭素繊維を接触濾材や水中浮遊物の付着・捕獲材料として用いるための形状は、種々の形状を用いた付着実験により、長さ20cmほど、本数50万から200万本程度で、サイジング剤を取り除き乾燥させ、片短固定したものを手で捌いた後に出来る図1-3に示されるようなものをユニットとして多段型に連ねて水中に浮遊させるものが効率的であると言う結果が得られた。

この形状は繊維同士が柔らかく絡まって緩やかな空間を作り、炭素繊維表面の摩擦力と強い弾性による位置の固持により、曝気状態における汚泥の付着が極めて速く、また強固となる。
この方法によって付着した汚泥は、曝気停止下の静止水中においても持続する。
この現象を利用して、低層に沈殿する汚泥を上部に保留し、底部で攪拌することなしに処理水の脱窒を行うものである。
図1-7はその装置のイメージ図である。
また、図1-8は実際に作成された脱窒塔である。
容積12L、高さ60cmのこの装置では、50mL/minほどのわずかな流量を投与し、その中で脱窒反応が生じた結果30mg/L前後の濃度で硝酸塩を維持した。
泡状となって上部に浮き上がった汚泥塊を分離すること、また付着汚泥を一旦分離し汚泥活性を持続させるため、1日1時間ほどの曝気を行った。
この方法は高さが必要なため小型水槽には適用しにくい。

 
 

1-2-2 炭素繊維マット濾過を用いた脱窒装置

炭素繊維マット内部に生息する微生物を用いて、マット内に緩やかな浸透流を発生させて脱窒処理を行う装置である。

これは、水陸性生物の飼育装置の陸を形成するために用いた方法の応用で、汚泥を混入したマットを図1-9の様に槽内に挟み込み、わずかな水位差によって全面で浸透させる。
その間に溶存酸素が低下し、嫌気反応が発生するという構造である。
この手法はマット内の汚泥を活性させることが難しく、効果が不安定である。しかし、この手法の利点は、脱窒塔と比較して高さを必要としないので、装置の小型化を行うことが可能である。

1-2-3炭素繊維マット濾過と嫌気攪拌を用いた脱窒装置

炭素繊維マット濾過では、面と厚みによって物理濾過が行われ、その内部に汚泥が入り込み生物膜を形成する。

そのため、マットを通過する際に個液分離が行われ、極めて効果的物理濾過が行われる。
図1-10は、持続性、メンテナンスにおいても簡易となった3番目の脱窒装置のイメージ図である。

MLSSが4000mg/L以上の高濃度な汚泥を嫌気反応槽内に充填し、嫌気攪拌を行う。

汚泥を浮遊させることによって、微生物塊と処理水を混合させ接触効率を上げ、反応を促進するものである。
溶存酸素の低下も速く、多量の窒素気泡の発生が確認できる。
嫌気攪拌自体は特殊な手法ではないが、炭素繊維マットによる濾過膜を導入したことにより攪拌による個液混合から個液分離を行う際に必要な巨大な沈殿槽や汚泥の返送などの施設を必要としないことが、この手法の大きな特徴であり、処理水を透明な状態で排出する。

さらに、この手法では汚泥に炭素繊維粉(図1-11)を2,3%程度混入させている。
嫌気攪拌を行い顕著な脱窒反応が発生すると、高濃度汚泥中に微細な窒素ガスが発生するが、それが多いほど汚泥が凝縮・脱水し、上層に固まる。この状態が継続すると、汚泥と処理水は接触しなくなり、曝気を行っても元のふわりとした状態には回復しない。
 

炭素繊維粉の均一な混入(図1-12)によって、汚泥は凝結しにくくなり、粘着性を軽減することができ、沈降性も向上する。

また、炭素繊維粉の方が汚泥よりも比重が重いために、死水域に炭素繊維粉が堆積し、汚泥の固着を防止する。炭素繊維粉は汚泥と完全に混合するがフロックは維持され、炭素繊維マット濾過膜を目詰まりさせる傷害とはならない。
また数ミクロンの炭素繊維粉は、攪拌機にはほとんど影響を及ぼさないため、全体として装置の維持能力が向上している。

1-2-1の脱窒塔と1-2-2のマット濾過脱窒は汚泥と処理水との接触が拡散現象に依存するものであるが、1-2-3の手法は攪拌による移流効果が卓越した接触となり反応効率が向上し、汚泥内部に発生した窒素ガスを連続的に排出できる。

90cm(容積150L)のグッピー養魚水槽に設置した1-2-3の装置(高さ50cm,容積8,マット濾過体積4L,反応槽4L)を用いて実験を行った(図1-13)。
この脱窒装置によって60mg/Lの硝酸塩濃度を、1週間で2mg/Lに減少させた結果が得られた。
この際に使用した水素供与体はグラニュー糖で、一日2gを数回に分けて投与した。

また、この装置の炭素繊維マットは、幅12cm高さ40cmの透過面積で透過方向長が10cmである。
透過量は最大100mL/minを確認したが、脱窒が顕著に生じるのは50mL/minで、硝酸塩除去率は最高95%であり平均して50%以上である。
一日の処理量が70Lで除去率が50%であれば、硝酸塩に関して35Lの水換えを毎日行ったことになる。
硝酸塩濃度を一旦低下させれば、処理量を減少させて供与体なしに脱窒を行うことも考えられ、それらの定量化を行うことも重要な今後の検討課題である。

1-3. グッピーの飼育装置

繁殖力が強くミリオンフィッシュとも呼ばれるグッピーは、病気に弱く、特に稚魚の生存率が低い。

テストフィッシュとしてよく用いられる種である。
飼育に関して考慮することはa.稚魚が成魚の雌に補食されるのを防止する、b.観賞魚水槽としての透視度を保つ、c.アンモニア性窒素と亜硝酸を発生させない好気処理、d.脱窒、e.給餌回数を多く、である。
これらのために、本研究で行った飼育装置は以下のようである。

i.飼育水槽内にストランドな炭素繊維を傘状に釣り避け、稚魚の隠れ場、生き餌の繁殖場とする。

ii.飼育水槽内に隔壁を設け、稚魚だけが生存できる領域を確保する。

iii.下層+上層濾過を行い、双方に炭素繊維マットを用いる。上層濾過はマットを縦に敷き詰め底部に穴をあけた散水方式とし、物理濾過と生物化学濾過反応を促進する。

iv.1-2に挙げた脱窒装置を設置する。

以下に考察を述べる。内部に吊り下げた炭素繊維は、以下のような役割を果たしている。

水中内の濁りである魚の糞を付着させる(物理濾過の効果

好気性のバクテリアの繁殖域となり、好気処理を実行する(生物化学濾過の効果)が、魚が密集している場合には汚泥は補食されほとんど付かない。そのために生物科学濾過反応は期待できない。

ミジンコやワムシ、その他の微生物の繁殖域や隠れ家となり、飼育魚、特に稚魚のための生き餌の供給の役割を果たす。

また、さかまき貝の産卵場所となり、水槽内部での貝の繁殖を促進させる。グッピーの死骸は炭素繊維に絡んでしまうことがよく見られるが、さかまき貝はそれを餌とし、死骸の分解を促進する。また、炭素繊維に卵を産み付ける。
 


散水方式の上層濾過装置については以下の様である。

養魚水槽における水質維持の基本は、魚の排泄物に含まれる極めて有害なアンモニア性窒素を、ある程度の濃度までは無害である硝酸塩とすることである。
この反応は水中に生息する硝化菌によって行われ、本実験のような密集飼育の場合には、生物化学濾過と物理濾過の両面の性能をもつ濾過装置が必要となる。
ここでは炭素繊維マットを用い、上層バケットに挟み込み、バケット底部に複数の穴を空け、浸透濾過散水方式とした(図1-14)。
 

上層バケットに糞と共に水を汲み上げ、マット上面に糞保留され微生物によって分解される。
嵩密度が10kg/m3であるこのマットの内部は空隙が多く、汲み上げられた飼育水中の排泄物を分離し、微生物の住処を形成し、物理濾過と生物化学濾過を行うものである。
この装置の付加によって、それまで従来の通水方式の上層濾過装置では1mg/L程度のアンモニア性窒素が存在していた飼育水から、アンモニアを完全にゼロとすることが可能となり透視度も向上した。

 

1-4. 水陸性生物の飼育装置について

蛍は清流にしかすめない生物であるというイメージが強い。

これは小川など流れのあるところに生息する源氏蛍のことであり、平家蛍は田圃などの水たまりや用水路に生息している。
蛍の飼育を行った事例は数多いが、丁寧な水換えを基本として行うために、幼虫の間は浅いバットで飼育する。砂利などは水換えの邪魔となるので敷かない。本研究で構想した飼育装置は、水陸空を生息域とする蛍の生態系を閉鎖空間内に作成し、その中において水質を維持しうる浄化装置を設置することである。そのために、陸を形成する砂利の中に緩い水循環を実権することを考え、図1-15に示す飼育装置を作成した。

この装置では2年間に渡り、成虫を毎日排出した。この中では、炭素繊維マットが各所に置かれ、産卵場や幼虫の隠れ家などの機能を果たしている。2年間の間に陸内部の砂利の中は閉塞した状況となった。この砂利を用いた陸の形成は重量が大きく、製作に手間がかかり、また濾過効率の制御が難しい。そこでその陸を形成する材料に炭素繊維マットを用いることが考えられた。この手法は簡易に陸を形成でき、軽量であり、さらに極めて大きな濾過効率が期待される(図1-16)。


水質維持については、陸を形成する領域の水中部分が全て濾材となるために、排泄物、貝の死骸などがあっても、1晩で回復する。餌である貝は食い残しの腐食が問題で、取り除かなければ異臭を発生するのであるが、本装置では1年間以上全く水換えなしに硝酸塩濃度は20mg/L前後で増減した。硝化・脱窒という現象が内部で生じていることを示している。低層に炭素繊維のマットやフェルトを置くと、大部分の幼虫がその下に入り込むところが観察された。さらに、炭素繊維は産卵床として効果を発揮した。通常の飼育では産卵床に水苔を使用するが、その双方を並べて成虫をおいたところ炭素繊維にのみ産卵を行った。この飼育箱は側面から水中、陸面、土中、空を観察できるため、成虫発光の舞ばかりでなく、幼虫の発光、補食や脱皮、上陸、蛹化、交尾産卵など全ての生態が観察された(図1-17)。


1-5 おわりに

炭素繊維が持つ強い弾性と生物親和性によって、養魚や水中生物の飼育に極めて良好な材料であることを示したが、同時に、その使用方法を開発するためには、流れ場や飼育する生物の態を十分に知る必要がある。その上で、ストランド、フェルト、マット、板、粉、これらの炭素繊維を道具として適所に使用することが、海岸・河川・湖沼などのあらゆる水環境の場と、様々な生物の生態系の復元・維持という実際問題に、炭素繊維が応用される可能性と実現性が広がってゆくと思われる。きわめて重要なことは、水質データのための濾過材料としてだけではなく、生物生態系の確立環境の素材とならなければならないということであろう。

前橋工科大学梅津研究室