流れをシンプルに考えたい際には、水の粘性による壁面との摩擦力なんぞは無視しましょう・・・
という場合が多いのですが、実際には、それを知りたいっ!てことが多いですね。
「そりゃ、実際問題としては、そうです。」
管の中を水が流れて行く・・・満載状態で。管路の流れです。
管内の各断面では、位置エネルギーと圧力のエネルギーと流速のエネルギーが、
管が高くなったり、低くなったり、太くなったり、細くなったり、曲がったり弁があったりで・・・・
それぞれの断面で、エネルギーが変換されています。
「で、全部足すと、エネルギーは同じ。」
と、思いたいところですが、実際には、全然そうではありません。
流れれば流れるほど、エネルギーは減っていきます。
それが損失エネルギーです。
管摩擦損失エネルギーをご紹介しましょう。
【直管内流れの摩擦損失エネルギー】
水平に置いた真っ直ぐな・・・円管があって、その中を定常流で水が流れていると思って下さい。
「へぇ・・・・イメージしました。」
ながーぃ管です。とっても長い管・・・・・
「へぇ・・・じゃ1km位あると想像しました・・・・」
真っ直ぐ管だから、断面積はAで一定。
この中を一定量Qの水が、ずーっと流れているわけですけど
・・・エネルギー損失ってありますよね。
「まぁ・・・実際の管ですから。あるでしょうね。」
管の上流側 (高さは同じだけど) から比べれば、
ずーっと下流のほうでは、だいぶエネルギーが減ると思いませんか?
「そ、そりゃぁ、エネルギーは減ってるでしょうね〜。」
じゃ、実際には、その管の流れの何が変わったんでしょう?具体的には何が小さくなったんでしょう?
なにが、減ったのでしょうか。
「え?具体的に?水量かなぁ?下流に行くほど、水量が減る?・・・・とか」
定常流です。ずっとQが一定量流れていると仮定してますよ。
「そ、そっか・・・どの断面も、流量は一定なのか。じゃ流れる量は減らないなぁ・・・
あ!じゃ、あれだ。流速が段々遅くなる?
ほれ、玉転がしても摩擦で段々遅くなって止まるように。」
ホント?
「え?違うの?・・・・・あ。流量が一定で、断面積が同じ直管だ・・・
定常流で Q=AU なんだから、平均流速が変化するわけないのか。」
そうです。流量Qも平均流速Uも上流下流のどの場所でも同じなんです。
「ぅえー・・・じゃ、何も変わらないじゃん。管が磨り減るとか?水が気体になるとか・・・・」
って、ぼけてる場合じゃありません。
エネルギー保存のベルヌーイの式は
U2/(2g) + p/(ρg) + z = H
速度水頭 + 圧力水頭 + 位置水頭 = 全水頭で一定
でしたね。ここに、損失水頭 hf を加えると、
U2/(2g) + p/(ρg) + z + hf = H
速度水頭 + 圧力水頭 + 位置水頭 + 損失水頭 = 全水頭で一定
となって、考えやすくなります。
「はぁ・・・・損失エネルギーも水頭の形にするんですね。」
では、下図のように、直管流れの2つの位置に静圧を測る管をつけて見ましょう。
「おお!そ、そうか・・・圧力が・・・・減ってる。」
そうです。z1=z2なので、断面1と断面2に損失を考慮したベルヌーイの定理を適用すれば、
U12/(2g) + p1/(ρg) = U22/(2g) + p2/(ρg) + hf
となり、Q=AU が一定で、直管だから U1 = U2
つまり
hf = p1/(ρg) - p2/(ρg) = ( p1 - p2 ) /(ρg)
となるわけです。
「なるほど・・・管路流れの損失エネルギーは圧力差に現れる、か・・・・
そういわれてみれば・・・水圧が大きいから水の出がいい・・・・
水圧が下がっちゃって水がちょっとしか出ない・・・なんてよく言いますもんね。」
そうです。
この損失ヘッド hf は、
管の内面が静止していることによって粘性力が発生し
、それによる摩擦力で損失したエネルギーです。
でもそんなに回りくどくいわなくても通常の認識では、”管壁面との摩擦”ですね。
そこで、この損失ヘッドを管摩擦損失ヘッドと呼びます。
「ぃや〜・・・ココロが洗われました。じゃ、今日はコレでオワリってことで・・・」
それでは・・・明日に繋がる課題を。
「カダイ?宿題ですか???」
直管の流れを決めるパラメータは、
その管の長さL とか その内径、直径 d とか
その管の内壁面のざらざら度合い、つまり粗度なんてので、きまる気がしますね。
「なるほど・・・そんな気もします・・・。」
それから、流れのほうは、どんぐらいの水を流すのか。つまり流量Qや
Qに依存する平均流速Uが問題になりますね。
「それに・・・どれぐらいの圧力をかければいいのか、なんてのもありますょ。」
そう。
実際には、流量をコレだけ出したいけれど、どれぐらい管摩擦損失ヘッドがあるんだろう?
それで、どれぐらいの圧力を加えれば、いいんだろう??
という答えが欲しいわけです。
直管の定常流れで発生する管摩擦損失ヘッドは、
管の長さが長いとどうなるでしょう?
流速が速いとどうなるでしょう?
管が太いと?細いとどうなるんでしょう?
管壁面が粗いのと滑らかなのでは違うんでしょうか?
そして
流れの状態、つまり層流のときと乱流の時では?
違うんでしょうか?
さぁ!どうなんでしょう?
という話で、管摩擦係数λの登場とダルシー・ワイズバッハの式出現
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Associate Professor Maebashi IInstitute of Technoloy |