[特別版 水理学シリーズ 目次]

【 水 理 学 第33回】(08.10.23)


【ベルヌーイの定理:第五話】

〜ベンチュリー管〜

ぅーむぅ・・・・ない・・・ないのぅ・・・???

「なに探してるんですか?」

ベンチュリー管じゃが・・・これは普通にベルヌーイ定理の説明で3番目に登場する・・・・ない・・・ない・・・

ぉーあったぁ!・・・っと p115じゃ。ずいぶん遠くじゃなぁ・・・なるほど・・・縮流の説明にお使いになったのか・・・・

「なんですか?そのベンチュリー管てのは?」



うむ。これもベルヌーイの定理の応用で、流速を測ったり、高圧力を抽出するのに使うもんじゃ。

こんな管じゃな・・・・

「ほ〜・・・・真っ直ぐな管に、ぎゅっと縮んで・・・・ゆっくり・・・広げる・・・てのをはめ込む・・・・

なんか無駄っぽいですが?」

うむ。まずは、この中で、流れ方向に、流速がどんな風に変化するかの?

もちろん、定常で。損失エネルギーが無いとしてじゃ。

「流速ですか?平均流速でいいですよね。断面で。」

おぅ、すばらしい前置きじゃの〜

「平均流速は・・・・基本的に断面積によって変化します。

ぎゅっと縮んだところは、その断面積が小さくなった分だけ、平均流速は大きくなります。

で・・・・

そこからゆっくり広がるので、断面積もゆっくり大きくなって、流速が段々ゆっくり・・・

最初と同じ断面積になれば、同じ平均流速に戻ります。」

ふぉふぉふぉ・・・せいかいせいかい。

で?圧力は?

「その流速変化に従って、逆に変化します。

ぎゅっと縮んだところでは、減圧し、広がるところでは圧力が回復していきます。」

すぅばらしぃ。

じゃ、今日はこれで終わるか・・・

「ウソ」

うそじゃ。


トリチェリーとピトー管では、ベルヌーイの式一本で、流速が測定できた。

だが、ベンチュリー管ではもう一本の式を使う。

「ェ・・・また新しい式がでるの?」

いや。連続の式じゃ。Q=AUじゃな。

「なんだ・・・簡単ですね。」

うむ。

ベンチュリー管を用いた流速測定では、静圧しか測定せん。

求めたいのは・・・最初の真っ直ぐな管の・・・まぁ平均流速 U としよう。

「で?どこと、どこの静圧を測定するんですか?」

ココとココ。縮む前の等流状態の場所と、このぎゅっと縮んだその場所の静圧じゃな。
 


「なるほど・・・それで・・・その差を測ると・・・・???ナニが解るんだろう?」

そこで、ベルヌーイの式を、この2箇所に当てる。水平に置いたのでz1=z2じゃ。

U12/(2g) + p1/(ρg) =  U22/(2g) + p2/(ρg)

「そうです。でも、こんどは、U1 も U2ちゃんと流れてるところですから、どっちかがゼロになったりしませんよ。」

だが、流量Qは一定じゃ。

「おぅ!連続の式か!  Q = A1U1 = A2U2 ですね!」

うむ。

そこから

U2 = U1 ( A1/A2)

となる。

「そっか・・・未知量2個で、独立した2本の式を使うので、解けるのか。」
 

 U12 - U22 =   2( p2 - p1 ) / ρ

U12 ( 1-A12/A22) =   -2( p1 - p2 ) / (ρ)

となるが・・・この圧力水頭の差が h だから・・・

h  = ( p1 - p2 ) / ρg

で・・・・

U12 ( 1-A12/A22) =  -2gh
 

U1 = √(2gh) × √{  1/( A12/A22 -1)}

となる。ちと複雑じゃが・・・・

「なるほど・・・・断面積は最初から解ってるし、静圧2箇所は測れる・・・・確かにOKです。」

これがベンチュリー管じゃ。

しかし、実際には、粘性の影響で誤差が出るので、それを修正する係数も付く。

「へー・・・・どんなの?」

実際には管内流れが一様ではないし、断面積を変えると、流れが変化する。

特に、縮流の発生は影響が強く渦の発生を呼ぶ。そこで
 

U1 = K √(2gh)

K =  C √{  1 / ( A12/A22 -1) }

として、C を係数として、諸実験を行なって補正しているらしい。

「補正ですか・・・・」



【そこで一言】

ベルヌーイの定理は、理想流体、流線上での理論。

実際の流れ場で、非定常やら粘性やらでは、合わなくなります。

でも、それを知って修正すれば、やっぱり使える実用の式。


 第34話 

流線上のベルヌーイの式から平均流速場でのベルヌーイの式へ

【水理学 基礎編 終了まであと10回・・・・ぐらい。必ず年内にはおわす!】


 
Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU Ph.D.
Associate Professor
Maebashi IInstitute of Technoloy