〜静圧と動圧と総圧を制圧する〜
「また・・・シャレを入れましたね・・・」
うむ。これが入らんと話が進められん。さぁ今日もベルヌーイじゃ。
昨日は巨大タンクからの噴出で危ないところだったが、
で今日は、地味に流速を測ってみようぞ。
「ながれの・・・速さを測るんですか?計算するんじゃなくて。」
うむ。計算もちっとはするが・・・流れている状態で、流速を測るのじゃ。
「流れている状態でね・・・」
まぁ管内の速度分布についてはご愛嬌じゃ。それよりも定常で等流、それが大前提。
この管路の流速を測ろう。
管に、L型に造ったガラス管を、ぶち挿す!下図の如きにじゃ。
ちょっと図がへたじゃが・・・・L字の管が水中で流れに口開けておる・・・・
「おー・・・・水が、上がってきた・・・・あるれるぅ〜・・・っと、大丈夫だった・・・で?なんです?これは。」
なんで、このように、ガラス管に水が上がって行くのか解るか?
「そんなの・・・当たり前です。・・・って、そりゃ・・・水の勢いで上がったんですよ。」
ほんじゃ、今度は、管の表面にガラス管を付ける。・・・ぽちっと・・・
「ぉや?水は・・・上がったけど・・・流れの中に置いたL字管よりも、水位は低いですね。 h分違う・・・」
そーじゃろ・・・・これも、ベルヌーイじゃ。エネルギーじゃよ・・・・
「はぁ・・・」
まず、L字のガラス管で、流れを食うように穴を向けた時の水位の上昇は、
その流れの総圧を受けた状態になっとる。
「全部の・・・圧力ですか。全部?」
で、管のふちに付けたガラス管では、断面が流れに平行な穴なので、流速の力を受けていない。
こちらの圧力を静圧という。
「なるほど・・・それで、その差、総圧 - 静圧 は、動圧 と言いたいんですね。」
言いたいんです。ぢゃ。
さ、記号をつけるぞ。ベルヌーイの定理の適用じゃ〜うわっははっはぁ・・・・・
「ナニが・・・おかしぃんだか、たのしいんだか・・・」
1 と 2 の流線にベルヌーイの定理を適用すれば、水平に置いたので位置水頭は同じで、
u12/(2g) + p1/(ρg) = u22/(2g) + p2/(ρg)
となる。で、2の方では、管が口あけてるので流れが淀んでおる。
「淀み点ですか・・・流速ゼロになると考えるんですね。」
うむ。 u2 = 0 じゃ。 u1 はやめて ただの u でエエ。それで・・
u2/(2g) + p1/(ρg) = p2/(ρg)
こんなふうになって、断面2のL字ガラス管が口あけて受けた圧力水頭は、
1の速度水頭と圧力水頭を足したものである・・・・・となるのじゃ。フォフォフォ・・・
「これが・・・動圧 + 静圧 = 総圧 を説明したものですね。
しかも、水頭という表現が、ぴったりの、ガラス管内の水位で解る・・・便利です。」
そうじゃ。図の2つの管の水位差は、
h = u2/(2g)
となっているじゃろう。
「あーホントだ〜。と・・・・いうことは・・・u = √(2gh) じゃないですか。」
つまり・・・2つの管の、それぞれの高さを測るんじゃなくて、その差だけ測ればいいんですね。
そーじゃ。あとは、電卓でちょいちょいじゃ。
で・・・・上述は、管路流れの場合だったが・・・開水路でも同じように適用できる。
「はぁ・・・一様な流れ場の開水路ですね。もちろん定常でしょう。」
L時管は管路と同様に流れにぶち当たるように口開けて置くが、静圧を測るほうは・・・いらん。
開水路の場合は定常流であれば、圧力は静水圧分布に従う。
流れが定常で一様であれば、圧力は静水圧と考えてよい。
こんな感じじゃ。
「なるほど。単純に動圧、速度水頭の分だけ水位が上昇するんですね。」
そうじゃ・・・・
「あっ!こっこれで!流速が測れますね〜その高さ h を測れば、
u = √(2gh) で、流速が計算できますよ。あれ?この式トリチェリと同じだな・・・。」
そうじゃろ、そうじゃろ。この場合も同じく
h = u2/(2g)
となる。
では、具体的に・・・・L次管に上昇した水位と水面との差が10cmだった。さて!流速は?
「えっと、u=√( 2×9.8×10)・・・じゃなくて、u=√( 2×9.8×0.1)=1.4m/s です。」
じゃ・・・・h=1mだったら?
「 u = 4.427m/s・・・だけど・・・もっと大きくなったら、大変だね。管が高くなっちゃう。」
そうじゃ。それに、実際にはL字管を立てると水面も揺れてしまってhが計測し難い。
早い流速場でも適用でき、
同じ水深での静圧と総圧との差をいっぺんに測る
という優れものの装置が開発された。
それがピトー管じゃぁ〜
(この管を書くのはつらい・・・・基礎流体力学p38または基礎水理学p55をご覧下さい・・・)
流れのエネルギーは損失エネルギーがなければ不変です。
流速が落ちれば、そのエネルギーは圧力のエネルギーに変換され、圧力が高くなります。
逆に、流速が高くなればその場での圧力は下がります。
このように、流れの中で、圧力と流速の間でエネルギーの変換が行なわれます。
私たちは、その現象を利用して、流速の測定や、
高圧のエネルギー抽出や、
翼つけて飛行機を飛ばしてみたり、
ロケットを大気圏まで運ぶスカートの設計につかったりで、大忙し。
トリチェリ、ピトーとくれば、次はベンチュリー、につづく・・・
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Associate Professor Maebashi IInstitute of Technoloy |