さぁ。昨日、質量mのボールの持つ運動エネルギーと位置エネルギーの話をしました。
「なんとなく解ったような・・・・だまされたような・・・」
mu2/2 + mgz =
const.
運動エネルギーと位置エネルギーを足したものは一定
mu2/2 :運動エネルギー 単位は N・m = J
mgz :位置エネルギー 単位は N・m = J
でしたね。このジュールは仕事の単位でもあるというウンチクも会得しました。
運動エネルギーは、英語で kinematic energy です。キネマティっクって、
映画のキネマと似てるでしょ。動く、運動、が kinematic です。
「はぁ・・・・キネマね。キネマちっくって感じだ。」
で、位置エネルギーは、英語で potential energy です。ポテンシャルってよく言うでしょ。
「ぽてんシャル・・・ね。ポテンシャルが高い・・・とか言いますね。」
そこで、 運動エネルギーを Ek 、位置エネルギーを Ep と書きますね。
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なんとなく動いている時のエネルギーは、 位置エネルギー : Ep = mgz 運動エネルギー : Ek = mu2/2 ですね。 |
「あのー・・・速度の方向は、鉛直方向で無くてもいいんですか?」
いいんです。質量mの物体が速度uであるとき、方向に関係なく Ek= mu2/2 となります。
「いっ・・・いつのまに・・・」
そう納得して下さい。
で、この物体の重力場での重さ、重量Wは、
W = mg
です。このWで、Ep と Ek を割っちゃいましょう。すると
Ep / W = mgz / ( mg ) = z
Ek / W = mu2/2 /( mg ) = u2 / ( 2g )
ちょっと、シンプルになったでしょ。
「シンプルと言うか・・・・位置エネルギーは、位置というか、高さそのものじゃないですか。」
すーぅ・・・ばらしい。そのとおりです。
この、 Ep/W = z と Ek/W = u2 / ( 2g ) は、その物体の単位重量当たりのエネルギーを表している・・・と
林泰造先生の本(p48)には書いてありますが、
認識としては、エネルギーを高さで表したと理解したほうが簡単です。
「つまり、位置エネルギーは z という高さそのもので・・・それに揃えると、
運動エネルギー u2 / ( 2g ) は、 単位が (m2 /s2) / (m/s2 ) = m
ぁ、高さの単位だ・・・になる、ということですね。」
そうです。これが水理学で水の流れの持つエネルギーを表す単位なのです。
「えー・・・・なんで?いいの?エネルギーの単位を勝手に変えても・・・・」
エネルギーは認識です。私達がそれを認識できれば。
体重100kgの人って、エネルギーあるように見えるでしょ。」
「ぇ?・・・・まぁ100kgもあれば・・・エネルギー満タンて感じだ。」
水深10mの水の柱と水深2mの水の柱を見たら、どっちがエネルギーあるように見える?
「10m・・・・だけど・・・。まぁ・・・解りました。エネルギーを高さという単位で表すということですね。」
流れの中に、まとまった質量を見出せないのです。
そこで水理学では
位置エネルギー Ep = ρ g z 密度×重力加速度×高さ [単位] kg/m3 ×m/s2 ×m = N・m /m3 = J/m3
速度エネルギー Ek = ρu2/2 密度×速度の2乗÷2 [単位] kg/m3 ×m/s2 = N・m /m3 = J/m3
と定義しなおします。
「はー・・・・単位体積当たりのエネルギーって量にしちゃうんですね。」
そして!この J/m3は、実は、圧力の単位と同じなのです。
「ナニ!??ど・・・どれどれ・・・・って、そうか ρgz って、p=ρgh と同じじゃん。
kg/m3 ×m/s2 × m = kg・m/s2 /m2 = N / m2 = Pa
ひえー・・・・単位体積当たりのエネルギーJ/m3 て圧力の単位と同じになる・・・変だ。」
で、EpとEkを単位重量ρgで割ってみると・・・・
Ep / W = ρgz / ( ρg ) = z
Ek / W = ρu2/2 / ( ρg ) = u2 / ( 2g )
となって、質点のエネルギーの時と同様に、流体の単位重量当たりのエネルギーを示すことになるのです。
しかも、流体を水で考える水理学では、水柱のイメージをもてます。
そこで、
z :高さで表した位置エネルギー → 位置水頭(位置ヘッド) potential head
u2 / ( 2g ) : 高さで表した速度エネルギー → 速度水頭(速度ヘッド) velocity head
として、エネルギーを考えるのです。めでたし、めでたし・・・
例えばですね・・・・ 100mの深さを貯水したダムの、水面の水の持つエネルギーを、
単位体積当たりのエネルギー (単位はJ/m3) で示せば、
ρgz = 1000kg/m3 × 9.8m/s2 × 100m = 980 kJ/m3
となりますが・・・イメージ沸かないでしょう?
「湧きません。ぜんぜん。」
でも、単位重量当たりのエネルギー (単位はm) で示せば、
z = 100m (水頭)
となって、非常にエネルギーを理解しやすい。
「水頭で・・・100m・・・という意識が持てればですね・・・。」
そうです。
逆に、980kJ/m3 のエネルギーです、と言われて、
何メートルの水位の持つダムだと・・・想像できないでしょう?
「できませんな。」
ね。水頭でのエネルギーって、便利。便利だ〜。
「ふーん・・・じゃ・・・例えば、10m/s の速度で流れる水の、速度のエネルギーは、
その・・・・単位重量当たりのエネルギーていうので表せば、
u2 / ( 2g ) = (10m/s)2 / ( 2×9.8m/s2) = 5.102 m (水頭)
てことになるの? 10m/sの流速の速度ヘッドは、5.102mです・・・」
すーぅぅぅ・・・・ばらしぃぃぃ!!!
そのとおりです。
水の流れのエネルギー
その1 : 速度水頭(速度ヘッド) u2 / ( 2g )
その2 : 位置水頭(位置ヘッド) z
どちらも単位は高さです。
で
もうひとつ・・・・
圧力の持つエネルギーを加えたい・・・・
圧力の仕事も加えないと・・・・
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Associate Professor Maebashi IInstitute of Technoloy |