[特別版 水理学シリーズ 目次]

【 水 理 学 第22回】(08.10.10)


【垂直壁と斜壁。同じ水深で受ける水圧。なにが同じでナニが違うの?】

「またまた、 p = ρg h ですね。」

そうです。今日のは地味な話です。

「垂直壁に作用する水圧と、傾いている壁に作用する水圧ですか。」

こんな感じですね。壁の幅は双方とも同じ1m、長方形断面ってことにしましょう。
 

「ふーむ。水深は両方とも同じで・・・同じ水・・・・水圧は・・・p=ρghだ。

解りました! 同じです。直壁も斜壁も全く同じぃ。ぜーんぶ同じ。へへへ、せいかいせいかぃ・・・
 

え、えらぃ単純に考えてくれましたね・・・・。

くどいほど申し上げますが、水圧の計算式は昨日の様に、

断面二次モーメントを使用してみたり、なにやら写像を使ったりと大忙しな計算風情です。
 

でも、絶対に忘れてならないのは、圧力の基本4性質。

水圧ではそのうち、次の2つが支配します。

圧力は絶対に面に垂直にしか作用できない。

重力場における水の圧力は、水面からの深さに比例する。
 

「ぅむ?そうすると、斜めの壁には水圧は・・・斜めの面に垂直に作用する・・・

でも深さでの大きさは同じ・・・。確かに、何かが違う気がしてきました。」
 

て・・・なわけで・・・・では、水圧の分布を書いて見ましょう。

水面に接する壁の水圧は、もちろん双方とも ゼロPa (ゲージ圧で)

深さに比例して水圧は大きくなり、必ず壁に垂直に作用する・・・・。

そして、水底と接する壁に作用する水圧の大きさは ρgh という大きさ・・・・。


 

おぅ!苦労したが、見事にかけたぞ!。こりゃ苦心の作じゃ。(なぜか爺さんに変身)

「いやぁ、なんか妙に雰囲気でてきましたね〜。水圧って感じです。」

そうじゃろ そうじゃろ

「そして、この2つの違いも見えてきました。」

そうじゃろ そうじゃろ

「直壁も斜壁も深さでの水圧は同じ大きさで、壁に垂直に作用しています。

でも、

その水圧が作用する壁の長さが違っています。斜壁の方が長いんです。」

そうじゃろ そうじゃろ・・・

「だから、全水圧、水圧の合力の大きさが、決定的に違ってきます。」

よしゃ よしゃ・・・・

「水深はhですが、仮にh=1mとすれば、幅は1mでしたから、直壁の全水圧P(直壁)は

P(直壁) = ρgh /2  × Bh = ρgh2/2 = 1000kg/m3× 9.8m/s2 ×1.0m2 / 2 =4,900kg・m/s2 = 4.9kN = 500kgf

一方

斜めの壁の方は角度αの分、水と接触する壁が長くなって、その長さLは

L=h/sinα

もし、水深h=1mで、幅B=1mで、αが60℃だったら、L=1.155m。

水圧の平均値は直壁と同じくρgh/2 だけど、全水圧P(斜壁)は、

P(斜壁) = ρgh/2 × B × L =1000kg/m3×9.8m/s2×1m/2 × 1m×1.155m= 5660kg・m/s2= 5.7kN = 578kgf

で、斜壁に作用する全水圧は、斜めになった分だけ大きくなっています。」
 

ぅほほぅ〜お見事じゃ。

ほんじゃ、その全水圧の作用位置は?ついでに計算しておくれ。
 

作用位置は、同じです。つまり水面から2/3の位置。

1mの水深であれば、水面から0.667mの深さの位置で、幅の中心に作用します。」

よし、図じゃ。描くか・・・・こりゃ細かいのぅ・・・・

「すごぃ。大作ですね。この説明図は。」

うむ。ものすごく くたびれたぞ。今日はもぅこれで何も出来ん・・・

「でも、直壁と斜壁への水圧の違いが良く見えた気がします。」



【そこで一言】

水圧は、面に対する力 単位は Pa =N/m2

全水圧は、水圧の合力 単位は N

直壁と斜壁では、

水圧分布が位置では同じでも全水圧はチガウです。


 第23話 

台形断面の直壁に作用する全水圧を求める計算の特訓

につづく。


 
Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU Ph.D.
Associate Professor 
Maebashi IInstitute of Technoloy