【秘伝!跳水はこのようにして起る】
「え?突然、秘伝ですか?水理学で・・・秘伝とは度胸がありますね。」
はぃ。この説明は私の超!オリジナルなので、秘伝扱いです。
図で説明しますね・・・。
緩勾配水路には水が無く、上流から流量がやってくるイメージでスタート。
急勾配水路から、水が射流状態のまま・・・・流れてきます。
「はぁ、乾いた水路に水流すイメージですね。」
で・・・・緩勾配に流れても、すぐには跳水なんて生じません。
「うーん・・・薄い水の膜が張るようですね。勢いが継続している・・・」
そうですね。緩い勾配でも慣性力が大きな水流は、まだ勢いがあります。
「勢いっていっていいんですか?」
まぁ・・・現象の理解を行なう場なので。
この緩い勾配水路を、まだ薄く浅く流れている水流は当然射流です。
「ほんとだ、指突っ込むと跳ねます。」
しかし、流れながら、徐々に流速は落ちていきます。
「まぁ・・・そうですよね。勢いがあるとはいえ、もう斜面は平らに近いんだから・・・」
そう、底面の摩擦力の影響を受けて、流速は徐々に遅くなっていきます。
そうすれば、段々、下流になればなるほど水深は深く、水位は高くなっていく。
「へー・・・・ホントにこんな風になるの?」
これほど極端にはなれませんが、一瞬なったと思って下さい。
そして、この状態はフシギな水面形となっていることにお気づき下さい。
「へ?射流だけど、下流に向かって・・・段々・・・水位が高くなってますね・・・・
おぅ!変だ。変ですよ。
水は高いところから低いところに流れるはずなのに、
この水面形状だと、下流になるほど水面が上昇しています。ヘンです。」
そう。
水位の違いは、かならず、波の発生を呼びます。
それは射流の流れであっても、本来は発生しているわけです。
緩勾配上を射流状態で流れる水は、徐々にエネルギーを失って
流速を落とします。そうすると水深が深くなり、水位は下流になればなるほど高くなる。
そして・・・流速が落ちてその時の水深の波速よりも小さくなると!
「波ができる。上流にも伝わろうとしますね。」
そうです。しかし、上流側は、射流流れ、その波を吹っ飛ばそうとします。
「ぅぇー!砕波、サイハ、波が砕けますね。
・・・・これが・・・跳水なんだ・・・」
そうです。
跳水は、砕波。
一旦、砕波が出来てしまえば、その場でのエネルギー損失は非常に大きく、
もともと常流流れの緩い勾配を流れる水は、すっかり常流Fr<1に定着します。
そして、砕波(跳水)は 上流に向かっていきます。
そして、最終的に、落ち着くところで、落ち着いて、跳水となるのです。
これが、跳水現象発生のメカニズムです。
「そんなの、どの水理学の本にも書いてませんよ」
書いて無いんだなぁ・・・コレが。
数値計算で、非定常の解析を行なうと、この現象が現れます。
開水路における波速の重要性を
ご認識いただけましたでしょうか。
常流も射流もフルード数も
跳水現象も
慣性力も粘性力も面摩擦力も
このように深く、波速に関わっています。
話題は水圧に逆戻り
静水圧の計算手法シリーズ
につづく。
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Associate Professor Maebashi IInstitute of Technoloy |