[特別版 水理学シリーズ 目次]

【 水 理 学 第15回】(08.10.03)

長波の波速はァ  るーと ジーエッチ。 はぃ。

「るーと じー えっち」

c =  √( g h )

波速は、水深だけ に依存します。

津波の伝播速度で実感しました。」

今日は、その波速と開水路流れとの係わり合いの話です。


波の伝わる速さ c 波速は速度の単位 m/s です。

「まぁそうですね。・・・で?」

開水路の流れの速さ、平均流速Uの単位は、もちろん m/s。
 

「当然でげす。なんスか?波速と流速の単位が同じだということですか?

それがどうしたんです。

一体何を言いたいんでゲス? なんです なんです なんなんです・・・・
 

って・・・・あぅ!!おぅ! そうか!!ひっ!!

ひっっひっひっ・・・っかっ・・・・ku 」

そう

比較するのです。

Fr = U /c = U / √( g h )

フルード数と 呼ばれております。

プードル犬ではありません。(意味不明)

「でっかい字で示しましたねぇ。そんだけ重要ってことか・・・

ふるーどすう・・・ですか。またまた無次元量なんですね。」
 

さぁさぁ・・・開水路流れの計算の道具が揃ってきましたね。

平均流速を求めるマニングの平均流速公式

U = n-1 R 2/3 I 1/2

そして

定常流の連続式

Q= A U

この式を使えばいろんな計算ができます。楽しみですねー!

「そんなのが楽しみで幸せですね。」


「まだ・・・フルード数というものが何物なのかわかってません」

あっそうか。

フルード数は、平均流速と波速を比較した無次元数です。

もし、平均流速と波速が、うっかり同じになる流れが出来た場合、

Fr = 1

となります。

「ぴったり、平均流速と波速が同じになるなんてことって、あるの?」

水路全域においてFr=1の流れを作ることは実に難しいらしいです・・・。

(そんなのやったことなぃ。あ、でも数値計算では出来ます。)
 

かならずこうするとそうなる。必ずFr=1になる!という流れはあります。

それは・・・越流部です。

「えつりゅう・・・・水がだーっと流れ落ちるところですか?」

そうです。


「写真じゃないんだ・・・・」

やぁ・・・いい写真取れなかったので、シュールな絵で越流のサマを描写してみました。



さ、そんなわけで・・・・開水路の流れと波速の関係とは?

はじまりはじまり・・・・

「わーぃ。楽しみ〜ってほどでもない。
 

おぅ、があるのぅ・・・。ゆっくりとした流れじゃ・・・・ぃぃのぅ。川は・・・。では・・・・っと。
 

この巨大な石を・・・・ん〜むむむむぅぅ!!

「あっ、何するんです。だ、だめぇ!」
 

ざっ・・・・・ばぁ〜〜〜ん・・・・なみなみなみなみ・・・・・・・・
 

お〜・・・やっぱ、川には巨大石じゃ。おーぅ。波が立ったぞょ。うしし。
 

「な、なんてことを。アンタ!建設省の敵です。カタキです!」(建設省?)

うむ。やってはいかんぞ。
 

どれ、もいっかい。

ざっ・・・・・ばぁ〜〜〜ん・・・・なみなみなみなみ・・・・・・・・

「ひー・・・波が・・・波がぁ・・・・・」
 

ほれ。この流れは波速よりも遅い流れじゃ。
 

「は?・・・・はぁ・・・そっか。

巨大石投与で水底から動くような波を立てる・・・

その波は・・長波で・・・上流にも下流にも伝わって行く・・・」
 

そうじゃ。川は上流から下流に流れておるが、波の伝播速度がそれよりも速い。

この流れは常流と呼ばれる。

「つねりゅう? じょうりゅう ですね。 常流・・・・」

U < √(gh)

そうじゃ。 Fr= U / c  = U / √(gh) じゃから、 Fr<1

フルード数が 1よりも小さい流れじゃ。
 

「はぁ・・・・そういうことに、なりますね。でもそれが何か?」
 

この流れは、下流で発生した波や、下流が狭まったり広がったりした影響や、

下流が蛇行したことによる流れの影響が、

上流側に、さかのぼって影響する。
 

「え!下流の?流れが上流側に影響しちゃうんですか?」
 

そうじゃ。流れは下流に向かうが、波は上流にも影響する。

下流で水面変化が生じればなにかしらの波が発生する。

それは、下流にも、そして上流にも伝わる。

「へー・・・・それは・・・気付かなかった・・・・」
 

よし、場所を変えよう。山の方に行くぞ。ぴゅーん(飛べる?)

到着じゃ。おぅ、ここの流れは速いのぅ。水しぶきがところどころ見える。

「上流にきましたからね。やっぱ流れ速いねー・・・。 あっ!またヤルんですか!」
 

巨大石〜ぃ・・・・ とりゃぁ!・・・・・じゅぼっ!!!
 

「ジュボッ??ざっばーんじゃないですね。じゅぼっ・・・だ。波が立たない。
 

うむ。もっかい。

とりゃ ジュボッ

「波立たない。水は跳ねるけど・・・・そうか。この流れは波速より速いんだ。」
 

そのとおりじゃ。

石が作る波は、実はちゃんと一瞬、発生しておる。 しかし、その波は伝われない。

上流に波は伝われず だーっと 洗い流される。
 

波は下流に あっという間に流され、その水面形はかき消されたようじゃなぁ。哀れじゃ・・・・
 

「ほー・・・・・。 で?この波速よりも流速が速い流れは何と呼ばれるんですか?」

射流

じゃ。ホレ、しゃーっと流れとるじゃろう。見事なネーミングじゃな。すばらしぃ。

「ち、違うと思うけど・・・そうですか、しゃりゅうですか。射流・・・雰囲気出てますね。」

うむ。

Fr = U / √( g h ) > 1

これが射流と呼ばれる開水路の流れじゃ。

射流では、下流の流れは上流には全く影響せん。無関係じゃ。
 

射流では、上流側の影響を受けるが、下流のことなどお構いなし。無責任なやつじゃのぅ・・・・どっかの役人のようじゃ。

「なるほどねー。 管路流れのときの層流と乱流とレイノルズ数 Reの関係よりはっきりしてますね。」

うむ。

ものすごくはっきりしておる。
 

比較するものが双方ともはっきりしておるからのぅ。
 

方や、 波の伝播速度

方や、水粒子が移動する速度

この流速 VS 波速 の Fr数には、あいまいさがなぃ。



開水路の流れの状態を表す数

フルード数 Froude number : Fr

Fr = U / √( g h )

U:平均流速m/s
√( g h ) :波速 m/s

Fr < 1 :常流 流れ Ordinary flow

Fr > 1 :射流 流れ Jet flow


よし、ほんじゃ計算じゃ。テキトーにイメージした水路流れを想像しようぞ。

まず水深を言っとくんなはれ。

「じゃ・・・・水深 h= 50cm ・・・0.5mにします。

うむ。その平均流速は幾つがェェ?

「え?何でも・・・いいの?・・・じゃ・・・3m/s にする。秒速3m速いぞ〜」

これで、お前さんがテキトーにイメージした開水路流れの状態がでる・・・・

U=3.0m/s 、c=√(gh)=√(9.8×.5)=2.214m/s

Fr = 3.0/2.214 = 1.36

Fr=1.36の射流じゃ。かなり速い流れじゃのぅ。

「ふーん・・・・Frは・・・便利かもしれませんね。Re数よりもイメージしやすい。」

うむ。

平均流速U と 水深h の双方をいわれても、

すぐには流れの状態は見えない。

だが Fr を計算すると、その数で流れの状態が判断できるようになる。



 【そこで一言】

フルード数で知る

開水路流れの常流と射流


 第16話 

こんどこそ 跳ねる水

につづく。


 
Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU Ph.D.
Associate Professor 
Maebashi IInstitute of Technoloy