[特別版 水理学シリーズ 目次]

【 水 理 学 第8回】(08.09.26)


【まず 昨日のまとめ】

粘性 (viscosity)

粘性力 τ (viscous force)

粘性係数 (粘度) μ (coefficient of viscosity)

動粘性係数(動粘度) ν ( coefficient of kinematic viscosity)

τ = μ × Δu/Δh

ν = μ / ρ

「ひー。また今日も、ですか・・・」

ぁ、今日のは、具体的に、具体的な、粘性の話です。


粘性係数の単位をもいっぺん、見てみましょう。

τ = μ  Δu /Δh

これを、粘性係数を左辺に置いて書き直します。

μ  =  τ × Δh / Δu

ですね。

それで・・・、Paの単位を崩さないで、単位をみると、粘性係数 μの単位は、

Pa × m / ( m/s) = Pa ・s

となります。
 

「お。なんかシンプル。パスカルに時間かけた単位だ。」
 

そうです。パスカル・エスとでも読んで下さい。
 

粘性係数は、別名、粘度とも言います。

「ネンド?」

これから、このページでは、粘性係数を 粘度 と呼びますね。

ついでに、動粘性係数も、動粘度と 呼ばせていただきます。

「はぁ・・・でもなんでデス?」

具体的な値を説明するので、粘度や動粘度って言った方が雰囲気が伝わるんです。

「ふーん・・・粘度・・・か。 ネンドーヘィ! ネンドーネンドー・・・なんつってワハハ


の粘度と動粘度(標準1気圧)

温度℃ 粘度μ mPa・s 動粘度 ν m2/s
0
1.792
1.792×10-6
10
1.307
1.307×10-6
20
1.002
1.004×10-6
30
0.797
0.801×10-6
40
0.653
0.658×10-6

これです。

「これですっても・・・なに? mPa・sっていうのは?粘度の。」

mPa・s は粘度の単位です。ミリPa・s で、mPa・s = 1/1000 Pa・s です。

粘度ってとっても小さいので、1/1,000のミリをつけました。3桁区切りです。

「ふーん・・・動粘度も小さい数ですね〜。10-6 かぁ・・・イメージ湧かないや。」

じゃ、この表を批評して下さい。
 

「ひっ批評?・・・ぅおっほん。じゃ・・・・
 

この表から解る事は、たった一つ!

水の粘度は、温度が上がると、小さくなる。即ち、温水では粘性の影響が小さい。

です。

あと・・・・10度と40度の粘度や動粘度の差が、2倍以上ありますね。1/2以下ってのかな。

粘性は粘性力の大きさに直接反映するわけですから、30度の違いで、粘度が半分ってのは、

大きな差だと、感じました。

最後に・・・・20℃の粘度が、1.0 mPa・sて感じで、キリがいいなーと思いました。オワリ。」

す ば ら し ぃ 〜。 完 璧 です。

「水だけじゃ、イメージ沸きませんよ。」


じゃ、今度は、空気です。

空気の粘度と動粘度(標準1気圧)

温度℃ 粘度μ mPa・s 動粘度 ν m2/s
0
0.01724
13.33×10-6
10
0.01772
14.21×10-6
20
0.01822
15.12×10-6
30
0.01869
16.04×10-6
40
0.01915
16.98×10-6

さ、では、空気の粘度と動粘度を批評して下さい。
 

「よっしゃぁまかせてぇ!・・ぅぅう おっ ほーん。・・ぅっふぉーぅん!!・・・・げほっ げほっ・・・ムセた・・・

(張り切りすぎ)

この表から解る事は、たったひとーつ!

空気の粘度は、温度が上がると・・・おや? 大きくなる? あんまり変わんないけど、

即ち、温風では?粘性の影響がちょっとだけ大きい。

あー、水と反対ですね。

でも、水ほどの差が無いな。

いや、空気は温度の範囲がマイナス何十度から何千度まであるからなぁ・・・。

あの〜マイナス50度の時のとか、6,000℃の時のデータ無いんですか?」
 

な、ないです。調べて見て下さい。一応コレ水理学なんで・・・・。
 

「そっか、じゃ、考察を続けます。あれ?批評だっけ?

えーっと、ぅお?水と比べてびっくりしたんですが・・・・
 

粘度は、イメージどおり、水よりも空気のほうがずっと小さいですよね。1/100ぐらいだ。

でも、なんと!動粘度になると、水よりも空気の方が10倍も大きくなってますよ!
 

なんですかコレ。変ですよ。変。・・・・どういう意味があるんだろう???」
 

いや〜・・・こちらも完璧!すばらしいご高察です。
 

水の粘度と空気の粘度では50倍以上違いますね。
 

つまり、それだけ水のほうが粘性が強い、ということは間違いありません。
 

これは、空気と水の中で、手を水平にぶんぶん動かして見ても、ハダで感じられますね。

「まぁ、そうですよ。定規を縦に水と空気の中で動かすと、もっと解ります。」

ぉ、すごい実験をしましたねぇ。
 

「で?なんで?動粘度は大きさが逆転するの?って・・・・ああ

ν = μ / ρ か。

水の密度は 1000kg/m3空気の密度は・・・・0℃で・・・1.293kg/m3・・・ひゃ〜軽い。

そりゃそうだよなぁ空気だもん。 それよりも、1m3 で1.3kg あるって方が驚きかな?
 

ともかく、密度が 1/800 位違うのか。

だから、動粘度は、空気のほうが水よりも大きいんですね。」
 

そうです。そのとおり・・・なんですが、

まだ、動粘度が何を表すのかを説明していませんでしたね。
 

だから、この値が何を意味するのかは、解らないわけです。

「で?なに?動粘度って、なにに使うの?」

まず、簡単なイメージとしては、

”質量が大きいと慣性力が大きい”

てのがあって・・・・

”慣性力と粘性力のバランス”

てのがあって・・・・

空気と水ではそれが違うのです。

動粘度はその違いをもたらします。


その前に、水と空気以外の粘度を見てみましょう。

その他の液体の粘度 (標準1気圧、25℃)

液体 粘度 mPa・s
ひまし油   700
硫酸    23.8
水銀
1.528
エチルアルコール
1.084
四塩化炭素
0.912
ベンゼン
0.603
メチルアルコール
0.543
アセトン
0.310

こんなんです。・・・じゃ、お願いします。

「コホン・・・・じゃ・・・・始めます。

液体ですから、水の場合との比較となります。

ダントツで油の優勝。でも油の粘性が大きいのは理解できます。

へーそうなんだ、と思ったのは、700倍、というところですね。

水よりもひまし油の方が700倍も粘性が大きい。700倍か、と思いました。

でも、ひまし油って・・・なんですかね?なんかの油? まぁいいや。 (日増しにヒマな油?)

(昔はランプなどに一般的に使われた油のようです。水理学って古いので・・・・)

で、硫酸てのは・・・危なすぎて粘度よりそっちがコワイ。でも水の20倍ですね。

あとは・・・・多少大きさが違うけど、どっこぃどっこい。

アセトンてのが、粘度が低いんだなーと感心しました。

まぁアセトンは、色々溶かすし、揮発性だし・・・・

酒のエタノールは、水程度の粘性だと、理解しました。

どうりで飲んでも平気なわけだ・・・と。(関係ないか)



【そこで一言】

粘度は、水と空気でケタ違い。水の粘度は空気の50倍以上。

水の粘度は、冷たいと大きく、お湯になると小さい。その差は約3倍・・・

でも油の粘度は水の700倍以上ある・・・・

このあたりが、粘度のフィーリング。

では、あしたは、 動粘度を使おう です。


明日 第9話 

レ イ ノ  ル ズ 数

につづく。

 
Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU Ph.D.
Associate Professor 
Maebashi IInstitute of Technoloy