[特別版 水理学シリーズ 目次]

【 水 理 学 第7回】(08.09.25)


粘性の話を続けますね。

「へぃへぃ。」

まず・・・粘性と言うのは、流体の持つ性質です。

「せいしつ、ね。はぃはぃ。」
 

空気や水や、その他の気体液体、つまり流体には、

程度の差があれ 必ず、粘性があります。

「そ、そぅね。そうでしょうね。そうでしょうとも。」
 

粘性という性質のために流れ場に生じた力を、粘性力 といいます。
 

「はぁ・・・粘性力ですか。摩擦という性質のために生じた力が摩擦力ってのと同じですか?」
 

お な じ で す。いーですねぇ。 そうです そうです。 そのとおり。

じゃ、それにあやかって、粘性力を τ と記号つけましょう。

タウ、と呼びます。

「タゥ・・・・タウタウ

この力は、面に生じます。

「そ、それは・・・まぁ摩擦を考えればそうですね。」

ですから、単位は Pa なんです。
 

「えー・・・圧力と同じ単位なの?でも圧力と全然違うよ。」
 

Paは、力/面 という意味を持っているだけです。

面当たりの力、それがパスカル。
 

高さもメートル、幅もメートル、深さもメートル、距離もメートル。

長さを示す単位が全部メートルなのと同じです。
 

「はぁ・・・でも圧力と粘性力は全然違いますよね。」
 

そう、全然、違う。

なにが違いますか?
 

「えっと・・・あぁ!力の方向です。

圧力は面に垂直に作用する力ですが、

粘性力は、それとは正反対、というか、面に沿う力です。摩擦力も。」

そのとおり。りぃ〜。
 

もう一つの違いは、圧力は静止した流体でも作用しますね。

ところが・・・

粘性力は、流速の差が生じないと発生しません。
 

流れているだけではなく、流れの場所で速さの差が無いと、粘性力は生じないのです。

まぁでも、壁は静止してますから、現実では流れのあるところ粘性力アリ、ですね。
 

さ、それでは・・・・

粘性力の式をご紹介しましょう。

なんと、初めて、図も挿入しますよ〜。

「ひ、久しぶりに式か・・・・あ、でも図も入るのか!すごいじゃん。」

【粘性力】

τ ∝ Δu /Δ h

「や、やられたー。って、なんですか?  この記号。」

比例する、って意味です。

Δu てのは?」

流速の差、って意味です。

Δh てのは?」

位置の差、って意味です。

平行に流れる2本の流速の間の距離です。
 

「じゃ、まとめると・・・・

粘性力は、流速の差 / 位置の差 に比例する、 ですか。」
 

そうです。すばらしい。良く理解できました。

「理解はしてません。」
 

つまり、粘性力は、流速の差が大きければ大きいほど、大きくなる。

また

粘性力は、流速と流速の間の距離が狭いほど、大きくなる。

です。

どうですか?

「どーですかって言われても・・・うーん。摩擦で考えれば、速く擦ると摩擦力はでかい。熱い・・・」

OK おっけーです。

「あとは・・・びったりくっつけたほうが・・・擦る力が伝わりやすい・・・ちがうかな?」

ぃや〜 OK OK 。 オッケーです。その”伝わりやすい”に100点。
 

そうです。その理解です。

まず、大昔の学者様は、この関係に気付いたわけですが、比例する、ってのは気にくわない。

式は、やっぱり、イコールで結びたいものです。
 

粘性力 τ と、Δu と Δh を イコールで結びたかったわけですが、

「なにか・・・問題でも?」

単位が合わない。

τは粘性力、単位はPa = N/m2 = kg・m/s2 /m2 = kg /( m s2 )

Δu は流速差、単位は m/s

Δh は距離、単位は m

Δu/Δh の単位は s-1 ・・・・

「全然合いませんね。大体、s-1 ってなんじゃその単位は?」

kg/( m s ) という分だけの単位がたりません。

でも、イコールでつなぎたい。
 

そこで、勝手に係数を入れることにしました。そして出来上がった、粘性力の式です!

τ = μ × Δu / Δh

やった〜完成〜 ゥキー!!
 

「ぅきーじゃ無いですよ。今度は μ ? ですか?ギリシャ文字だらけですね。」
 

μ は、みゅー と呼びます。粘性係数です。もちろん、単位は kg/(ms)
 

「めっちゃくちゃな単位ですね。その粘性係数ってのは?なんです?なんか意味あるんですか?」
 

おおありです。

空気のねばっこさと、水のねぱっこさって違うと思いませんか?

「そ、そりゃ・・・かなり違うんじゃないですか?」
 

それから・・・同じ空気でも、温度によって、ねぱっこさが違う気がしませんか?

「え?熱い空気と、冷たい空気と、粘性って違うんですか?・・・・

あ、そうか・・・・もともと、分子同士のぶつかり合いで、

粘性力が発生するんだから・・・・・温度が高い低いってのは、分子運動か・・・

そうかも。そうかもですね。」
 

そうです。この粘性力とΔu/Δhの関係をイコールで結ぶために導入した、

粘性係数μは、いまのところ、へんてこな単位とはいえ、

流体の違いや温度の違いによって、その値 μ を選択することにより、

全ての流体、空気でも水でも、アルコールでも、泥水でも、適応可能な式となったのです。
 

「へー・・めでたしめでたし、ですね。」
 

そして、もう一つ、実際には動粘性係数 ν というものが使われます。

「ひぇー終わるのかと思ったのに!またギリシャ文字!」

νは、にゅーと呼びます。はぃ にゅー・・・・(・・・答えなし・・・)
 

【動粘性係数と粘性係数の関係】

ν = μ / ρ
 

・・・粘性係数を、密度で割ってみたんですねぇ。

ウマイの?このカクテル?なんつって。ワハハ (・・・・もー動でもいい)
 

動粘性係数νの単位を見てみましょう。

粘性係数μの単位は kg/(ms)   何べん見ても、いまのところ意味不明です。

密度ρの単位は  kg/m3 単位体積当たりの質量です。
 

では! 動粘性係数νの単位は!

「えっと、 kg/(ms) ÷ kg/m3 ?  kgが消えて・・mが一つ消えて・・・ あ、 m2/s です。」

そう、動粘性係数νの単位は m2/s
 

まだ意味不明ではあるけれど、なんか面積を時間で割りました、って雰囲気が出ています。

「雰囲気じゃなくて、そのまんま、そうです。」
 

じゃ、これを覚えといてね〜。

おしまい。

明日に続く。



【そこで 今日のまとめで 一言】

粘性 (viscosity)

粘性力 τ (viscous force)

粘性係数 (粘度) μ (coefficient of viscosity)

動粘性係数(動粘度) ν ( coefficient of kinematic viscosity)

τ = μ × Δu/Δh

ν = μ / ρ

「ひー。水理学って・・こんなの?なの?」

ぁ、ぃや、まだまだ・・・記号も数式も もっともっと・・・です。


明日 第8話 

次は 粘性のまとめ話「実際の粘度」 です。

につづく。


 
Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU Ph.D.
Associate Professor 
Maebashi IInstitute of Technoloy