[特別版 水理学シリーズ 目次]

【 水 理 学 第3回】(08.09.21)

圧力の単位って、どんなの?ですか?

「どんなのですかって・・・・・ぁ・・・、へ、っへ、っへク・・・っと・・・・お、ラスカル?・・・・・


、言うわけで、面白くも楽しくもない水理学という恐るべき話題で

EEL NEWSが占領され続けています。

どうしましょう? それなのに、

第3回目は、圧力の話をぶちかますつもりらしいですょ。
 

水の流れを表現するのに、思わず思い浮かぶのは、もちろん、【流速】ですね。
 

「ここが、速いとか、遅いとか・・・平均するとコレぐらいの流速とか・・・

流れの速さを示せば、流れを表したことになりますよ。

それだけでいいじゃん。」
 

と思ったところ、

実は、【圧力】という、もう一つの物理量があったことに、気付いてしまった わけでした。

気づいたからには、しょうがなぃ。

さぁ、いきましょう!

圧力の話デース。たのしーですよ(oo)〜   (そ、そうかなぁ・・・)


【〜圧力の基本4性質〜】

[No.1] ある1点での圧力は、全ての方向に等しい大きさで作用しまーす。

なんですか?それ。」

圧力には方向性が無いでーす、ってことで良いでしょう。
 

[No.2] 面に対して、圧力は、必ず垂直に作用しまーす。

「面に垂直?・・・・に圧力が 作用する。

面に斜めに圧力は作用しない。ましてや、面に沿う方向になど もってのほか、てことですか?」

そーでーす。
 

[No.3] 重力場における液体の圧力は、水面からの深さに比例しまーす。

「液体って・・・水ですよね。つまり、水圧は水面で0で、深くなればなるほど水圧が大きくなる・・・当たり前じゃないですか。」

そーでーす。
 

[No.4] 密閉された容器の中に圧力を加えると、容器の全ての内面に等しい圧力が生じまーす。

「フーセンを膨らますと・・・そんな感じがしますね。確かに。」

そーでーす。パスカルの原理っていう名前付き!
 

以上、圧力に関する現象は、どんなことも、この4つの性質に従います。

必ず!です。

絶対に、例外はありません。


さ、それでは・・・圧力の単位、報告して下さい
 

ぇ〜・・・調べてなかったなぁ。

ぅうーん。圧力って、なの? 圧する力か・・・じゃ、ニュートン! N ヤマカン
 

ぉしぃっ!!でも違います。天気予報で、台風の中心気圧を なんかって言ってますよね。
 

「え?気圧?・・・そーか。気圧も水圧も圧力だね。じゃぁアノ単位か!」

そーです。言って見て。
 

「へ、っへ、・・・・・・・・ヘックショーン・・・・ミリバール。  」

・・・・あんた。いつの時代に生まれ育ったの。
 

いまどき、そんな珍しい圧力の単位を知ってる人なんて、いませんよ。

でも正しい。 せ い か い。  ミリバールという圧力の単位があり・・・・・・ました。
 

でも忘れていいです。忘れて下さい。同じ意味ですけど。
 

「へへ・・・冗談ですよ。思い出しましたよ。ヘクトパスカルです 。hPa と書くんですよね。」
 

おーでましたね。正解です。 それで?・・・?
 

「で?って・・・・ぃーじゃん。言ったんだから!あとはシラネーョ。」
 

ヘクトパスカルの、ヘクトは 100倍したっていう意味です。
 

「ぁ、ヘクタールてのあるなぁ。 ぁぁ、あれってホントは、ヘクト・アール ha なんだ。

アール a という広さの、確かに100倍だ・・・」
 

で、圧力の単位は、パスカル Pa であるということに、なんとなく気付きます。
 

「パスカルって・・・・人の名前じゃない?どっかの物理学者だ・・・多分。」
 

そーです。そのとおり。

力の単位に、アイザック様を掲げて N ニュートンとしたように。

仕事の単位に、プレスコット様を慕って J ジュールとしたように。

仕事量の単位を、ジェーム様と共にアリで、W ワットとしたように。

グッピーの単位を、むやみに増やした罰として、spokonとしたように・・・・

(ウソウソ)

圧力の単位は、天才ブレーズ大先生のお苗字をいただき、 Pa パスカルとしたのです。SI 単位系が。
 

「へぇ、わかりやした。人の名前でござんすね。じゃ、その正体は・・・なんでゲス?」

面 に 作 用 す る 力

です。

「へ?めん?」

力 ÷ 面積

 にゅーとん ÷ 面積

N/m2

でーす。

「ず、ずいぶんと無駄な行の使い方で・・・はー。 力を面で割ったものですか。圧力というのは。」

そうです。

圧力の性質No.2 圧力は面に垂直に作用する!だから、圧力は面に作用します。点に作用しません。
 

もっと、分解してみましょう。

N = kg・m/s2 です。面積は m2 。だから、

Pa = N/m2 = kg・m/s2 /m2 = kg /(m・ s2)

となります。こうなるとなんだかサッパリ?で、イメージゼロですよね。

「 も・・・・いいです。めんどくさい。わかりました。 圧力は、面当たりの力なんですね。」
 

そうです。単位は大事ですよ〜。


さ、それじゃ、ウンチクと、いきましょう。

「うんちく?」

大気圧っていうのは、何パスカルか、知ってますか?

「大気圧ですか・・・・さぁ?・・・あ、台風のとき・・・中心気圧が 987hPaです、なんて聞いたことあるなぁ。」

そーそー。それぐらぃ・・・。

台風は低気圧ですから、標準よりもちょっと小さい気圧なわけですね。
 

地上での標準大気圧は、1,013hPa と定めらています。

でも、これは、日本での表現で、hPa というのは、世界では通用しないそうです。
 

「え? じゃぁ100倍して・・・ 101,325 pa って言うの?」
 

いえ、世界に通じる標準大気圧の表記は、 101.3 kPa

キロ kを使え、ヘクトは使うな!ということのようです。
 

そして、この標準大気圧を 1 atm  (いちアトム)

と言うそうですが、これは、かなり水理学と関係ありません。
 

日本の水理学ではふつーに、1 atm = 1気圧

標準大気圧を1気圧と言っています。まぁ英語の論文は アトムるはずですが。

「じゃ、5気圧防水っていうのは、標準大気圧の5倍に耐えられる防水ってことなんですね。」

そーです。

「でも・・・それって水深何メートルの、ことですか?そっちのほうが・・・解りやすい。」

おー・・・すばらしい質問です。
 

そのとおりですね。

単位は、自分のイメージできる量でなければ意味がありません。

34.5フィートの長さと言われても、5.6ガロンの量と言われても、私には全然イメージ湧きません。
 

ここで、簡単な式をご紹介します。とっても、便利でカンタンな式ですょ。

「ほ、ほんと?ゥキ〜」

はぃ。重力場における液体の圧力を計算する式ですよ。

「げー」

p = ρ × g × h = ρg h

p (小文字のぴー) は、圧力 pressure です。単位は Pa = N/ m2

ρ は、なんでしたっけ? 「密度 density です。 単位は kg/m3 」

g は、なんでしたっけ?「重力加速度 gravity accelaration ですっ 単位は m/s2

h は、なんだと思います? 「たぶん水深 depth でしょ。 単位は m ですね。」
 

そーです。すごいですねーいつの間にか英単語入りになっちゃってます。スペル合ってるんでしょうか?
 

この式で、いろんなことが解ります。いろんな計算ができます。

モノシリ計算博士になれますよ。

「なれなくて、いいです。」
 

さぁ覚えましょう! ぁソレ ぴー いこーる ろーじーえっちぃ  ハィ!

「やですっ」
 

そういわず。さぁ、紙とペン。定規と電卓を用意しましたか?

携帯の電卓でも大丈夫!

【計算してみましょう〜演習問題でーす〜】

「ひィー・・・・とうとう・・・こんなことに・・・」



【 問 題 1 】

 地上で1kgの質量の物体の力、(あるいは重さ) は、何N でしょうかぁ。  答え 1kg × 9.8 m/s2 = 9.8 N

「なんだ、答えつきか・・・」

じゃ、応用問題です。 地上でのあなたの質量は、体重計に乗るとわかりますね。

地上で貴方の体重計の示す、貴方の質量○○kgは、

この地上での力としては、何Nでしょうかぁ!

答え○○kg ×9.8 m/s2 =  ???  N
 

「自分自身の力を計算するってことですか。」
 

さぁでは、貴方の足の裏は、両足で、何mありますか?大体でいいですよ〜。

「足の裏の面積ですか? 片足25cm*6cmぐらいかなぁ? 両足か・・・あ、あとm2 に直すには・・・」
 

そして、計算してみましょう。貴方の両足が、大地に押し付ける圧力は!さぁ 何Paでしょう!!

「なんじゃぃそりゃあ。なんにナルそんな計算・・・・」
 



【 問 題 2 】

水面の圧力は大気圧です。

水圧を計算するには、水面の圧力はゼロと考えるほうが便利。

本当は、水面は大気圧なんですけど、コレを 0として考えます。

水面の圧力をゼロとする測り方をゲージ圧といいます。

普通に水圧を論じる際には、ゲージ圧でしょうね。
 

では?真水で、水深1mの深さの水圧は?何パスカルでしょう・・・・・

p = ρ g  h

1,000kg/m3 × 9.8m/s2 × 1.0m = 9,800 kg・m/s2 /m2 = 9.8 kN/m2 = 9.8 kPa
 

なるほど!水深1mでは、水圧は 9.8 kPa となるんですね。
 

では?水深10mでは?

「はぃ 98 kPa です。暗算。比例だし。」
 

これ・・・その大きさ・・・なんかに・・・近くないですか?

「は?なにと?・・・・あぁ! 101.3 kPa に・・・もうチョイ ですね。」
 

では、問題。海水の密度ρを 1,030kg/m3 とすると・・・・ちょっと密度を大きくしたので・・・圧力も上がりますねー

海で、水圧が1気圧となる水深は、何メートルでしょ〜

「即答! はい。深さ10メートル。多分。話の流れで。
 

せェーかぁーいぃ。 ぱちぱちぱち。
 

では、5気圧防水というのは?

「水深50mに絶えるということだったのか。・・・・知ってたけど。

多分そうです。ただし、大気圧を足した絶対圧では6気圧に絶えるとなりますね。

もし絶対圧で5気圧防水なら40mまで、ということになります。

あとは、時計作った人に聞いてみるしかないです。
 

まぁ、誰でも知っていることですが、p=ρgh と1気圧 101.3 kPa、

これがなんとなく身にしみる計算でしたねー。


水圧の計算式 p = ρg h  は

圧力の性質No.3の「重力場における液体の圧力は、水面からの深さに比例しまーす。」

そのまんまの式ですね。

h=0 では p=0。水面では水圧はゼロです。

そして水深 h が大きく(深く)なれば 比例して 水圧 p も 大きくなる。
 

海水では密度が水よりちょっと大きいので、

一般的に言われている水深10mで1気圧だ!が、ほぼそのまんま該当しましたね。
 

101.3 、 101.3 、 101.3 K Pa 。ひゃくいちてんさんきろぱすかる ですょ〜。ハィどうぞ。

「・・・・ひゃく いち てん さん きろ ぱすかるぅ !」
 

で? なんでしたっけか〜 それって。
 

「標準大気圧、1気圧 ですョ。 もー・・・」
 

p=ρgh

この式の中に、恐怖の単位重量 γ=ρg がいますね。

と、いうことは、

p = γ h

水圧 = 単位重量 × 水深

という意味があることも、なにやら感慨深いですねぇ。

「別に。全然・・・」

じゃ、単位を見てみましょう。

単位重量γの単位は N/m3 でしたね。 水深 h の単位は  m です。

N/m3 × m =  N/m=  Pa

ほーら・・・・単位もぴったり、合ってますね。

単位を追って行くと、うろ覚えな式も、思い出せるんですよ。これは秘伝です。(突然登場!)



【そこで一言】

「ぐったりです・・・・・。」

えー、もっともっと、たくさん計算課題を用意してあるのに!



明日 第4話 

圧 縮 性

につづく。


 
Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU Ph.D.
Associate Professor 
Maebashi IInstitute of Technoloy