【秘伝!グッピーの増やし方 第5回】(08.09.09)


よし、めでたく君も弟子になったことだが・・・・・

「はぃ、親分」

ぉ、良い返事じゃの。それでは、この

内部には底砂も水草も浮き草も入れず上層濾過だけで運転していた、
グッピー成魚が雄3匹雌4匹いて、稚魚もちらほら産んでしまった、

やばい 稚魚食われる吸われる減る・・・

という60cmガラス水槽を”秘伝内部循環型藻場付水槽”に作り変えましょう。

「はぃ親分。最初は何をするんですか。」

んむ。まずは、買い物じゃな。

アレとこれそれと・・ナニとカニと・・・ トニかく、ここに書いてあるものを買ってきて。

「ハイ親分。じゃ、お金。」

ぇ?・・ぁぁ・・はぃ。

「行ってきまーす。」

ふぉふぉふぉ・・・・しかし何でワシがカネを・・・



”グッピーの密集飼育”を最終目的とすることによって、
一般的な飼育のセオリーとはちょっと違ったアイデアが生まれます。

秘伝グッピーの増やし方】は今回で5回目。秘伝という言葉をキーワードとして、
私がこれまで思考し、実際に飼育した経験に基づき、当たらずとも遠からずなワザの数々を、
スーパーフィクション物語で綴っています。

第一回目は、水槽の準備と立ち上げ時の餌について、見事な秘伝が披露されたようです。
第二回目は、立ち上げ時の汚れの処理と餌の与え方について、意味不明な秘伝のたわごとが語られました。
第三回目は、グッピー交尾のシュールな描写に始まり、恐るべき水換方法の伝授、
そして槽内の水流観察の大切さにこそ 秘伝あり との お告げ が下されました。

第四回目。飼育3週間目とうとう稚魚が水槽で発見されました。バクテリアを繁殖させてグッピーが棲める水環境を作る、
ということだけでは稚魚は生き残れません。さぁ、どうしましょう?その秘伝な問題定義が述べられています。


【 秘伝 内部循環型水槽の構築 】


よーし・・・さぁどっから始めましょうかね。

なにしろ、グッピーが入って泳いでいる現役の水槽の中身を換えようということです。

「まずはグッピーを取り出さなきゃいけませんね。」

んむ。じゃが、安易に取り出してはならん。

取り出したあと、3日3晩も内部工作にかかってしまうとグッピー没落じゃ。

「そっか・・・移す場所を作らなきゃ。え?3日もかかるの?」

いや、できるだけ短時間で戻したいので、その段取りをきちんとやりましょう ということです。



(占い師に変身!)

「おっ、モハムダゥ先生、登場だ。」

よし珊瑚石からじゃな。・・・下層濾過の濾材じゃ。 おぅ、なかなか良いモノじゃ。これは。

1cmから4cmと径が大きいのぅ。

「 この珊瑚石、ちょっと大きすぎる気がしますけど・・・・」

ダイジョブじゃ。これぐらい大きくないとスグに詰まる。コリャ秘伝じゃ

「へー。この径が秘伝なんですか・・・。で珊瑚石をどうしましょう?」

洗うのじゃ。バケツで。思いっきり。濁らなくなるまで。

「ハィ。じゃ、お願いします。」

よしゃ〜ぁ。 じゃっしゃ じゃっしゃ じゃっしゃ・・・・おぃ!

なんで、ワシが あらっとる!コンなのは、弟子が洗うもんじゃ。

「へへー。・・・じゃっしゃ じゃっしゃ・・・ざー

じゃっしゃ じゃっしゃ・・・ざー
じゃっしゃ じゃっしゃ・・・ざー

何回洗えばいいんですかー?・・じゃっしゃ じゃっしゃ・・・・」

10回じゃ。

えー10回も、ですかー。・・・じゃっしゃ じゃっしゃ・・・ ざー・・・・」

ホラ、濁らなくなったぞ。

「ほんとだー。この、10回洗うってのも秘伝なんですね。」

別に。ワシがやる時は洗わん。袋からそのまま入れたりする。

「なんだそれー」

(洗ったほうがエエ)


さ、次は・・・おう、下層濾過板の準備じゃ。

60cm水槽だから、これを3枚くっつけろ。と書いてある。

「わりと簡単ですね。あ、びったしです。 60cm水槽底全面に広がる・・・」

このNissoのは非常に良い。愛用品なんじゃが・・・・このままでは、イカン。

濾過板と濾過板を接続させたところの水通しが最低じゃ。

「どうすんの?」

つないでいるところを切る。切り落とす・・・・・さぁこんな風にじゃ。 ぽき ぽき。

「へー。・・・ぽき ぽき ぽき ぽき」

できましたね。



【解説】

とにかく下層ろ過は、設置前の準備が とても大事です。

濾過板を置いて、砂利や珊瑚石や”セラミックななんたらやかんたら”を上に載せ、

マグネットポンプ直結やエアリフトポンプで

水を底から吸い上げるという構造です。

その水は、下層濾材の隙間をクグッて行きます。

その際に、水が、「下層濾材に付着した微生物」と接触することになります。

低層面全域に下層濾過板を敷き詰めれば、それだけ広い水通りの面が確保され、

その上部に積層した濾材の堆積は、余裕のある濾過容積をもたらすことになります。

しかし

一旦設置して、運転を開始したら、もう一生もの。

二度と取り外して掃除したりは、しません。

「絶対しないの?」

するときには、完全なイニシャライズだーというときになりますね。


「ねーおやぶん。折角上層濾過装置がうまくいってるんだから、これでいいじゃないデスかー。

これをそのまま使ってさぁ。

その、生物化学濾過とか硝化とかを、これからも上層でやってもらってさー。

洗った珊瑚石は、ただ底に敷く ってことで・・・・・」

そ、それでもいいんじゃがのぅ・・・・ちっと気に食わんのぅ。



【モハメダゥが上層濾過装置は気に食わん点その1】

あの吸い込み口じゃ。あれが気に食わん。どの社のも、気に食わん。

小さすぎる。狭すぎる。大きくするとカッコワルイ。

隙間が大きい。稚魚が吸われて上層で泳ぐ。

詰まると掃除しなきゃいかん。詰まってポンプが音を立てる。

「はぁ・・・稚魚が吸われるのは良くないですね。アミかぶせたら?」

もっと詰まる。そしたら毎日掃除じゃ。まったく気に食わんのぅ。
 

【マホメドゥが上層濾過装置は気に食わん点その2】

濾過容積が狭い。水槽上部に置くのだから巨大化できん。

容積が狭い分をカバーするため、流量が多い。

じゃが詰まると流れちょびちょびになって情けない。

物理ろ過(ごみとり)機能があるが、それは即ち洗え!ということじゃ。

「面倒なんですね。それが。」
 

【メホメデゥが上層濾過装置が気に食わん点その3】

水槽上部に黒箱半分じゃ。半分近く占領される。

その手前に、もう半分占領するライトを置くじゃろう。

そうすると、隙間がわずか3cmも残らん。

「いいじゃないですか。別に。」
 

いやじゃ。こんなにイヤなんじゃ。

「おやぶんは、上層濾過装置の敵ですね。カタキですっ。」

ぁいや。そうでもない。たまにツかっとる。こんなのも開発したしの。



不平不満を述べとったら、いっぺんに時間を取ってしまった。

さ、珊瑚石と下層濾過板の準備ができたようじゃの。

エアリフトポンプに使うエアポンプはβ6000でよし。

いまから設置開始じゃ。手早くやらんとイカン。

水換えと同じだからな。4個のタンクに曝気した水は、ちゃんと入っておるか?

「はぃ。大丈夫です。全部満タンですっ。」

よし、3つ捨てなされ。

「ハァ?」

カラにしなされ。3つじゃ。ほれ、はよせぃ。

「なんだよー・・・どぼどぼー・・・どぼどぼー・・・せっかく・・・どぼどぼ・・・」

水槽の電源切ってー

「へぃ。 ぶち ぶちっ」

さ、一気にいくぞー。

容器を用意して水槽の水入れて・・・成魚とって・・・入れて・・・。
別容器用意して水槽の水入れて・・・稚魚とって・・・入れて・・・。

「ぅあ〜。稚魚は全部で12匹でしたぁ・・・ダイジョブかなぁこれ。」

モー心配している時ではない。作業は始まったのじゃ。

サイは投げられたのじゃ。背負い投げじゃ。お角が地面にささっとるの。 よし、水をぬけータンクに入れろー。

「どっぽーん どっぽーん・・・・・3タンク分ですかー・・・」

そーじゃー・・・どっぽーん どっぽーん・・・よーし。上層濾過装置をはずして〜

「はずしました〜」

下層濾過板の投与じゃー。

「はぃー」

しっかり エントツ 立ててー

「はぃー」

珊瑚石入れて〜

「はぃー ぽこ ぽこ・・・ぽこ ぽこ・・・」

そうじゃ。底も側面もガラスじゃ。割らんように やさしく じゃ・・・。

よーし。 均して〜。ならしてぇー。

ちょっと背面の方を高くしようぞ。遠近法じゃ・・・。かっこよぃぞ・・・。

よーし。完成じゃ。

「こ、こんなに高く盛るの? 深さは8cmぐらい、ありますかね・・。」

これでェェ。 じゃタンクの水戻してー。

「はい。じゃーじゃーじゃー」

よーし。エアリフトポンプスタートゥ。マホメダゥ!(のってる)

「お。すごい。なかなかの水流。なかなかの水量ですね。」

そうじゃろそうじゃろ。

エアレーションスタート。 ダゥ。

「ぶくぶく・・・・・おー。いいですねぇ。底に石があると・・・・結構いい雰囲気だ。」

ヒーターオン!

「もわもわ〜 でも、戻し水なのでたいして冷たくありません。」

そうじゃ。よし。

「完成ですね。 じゃ戻しましょう、グッピー。

なんと10分で終わりましたよ。

すばやかったですねー。ボクとおやぶんの見事な連係プレイだ。」
 

グッピーはまだじゃ。上層濾過装置の底のあまり水を全部入れて下さい。

「へ?かなり濁ってますけど?うひっ、カスもゴテゴテ溜まってる・・・なんか汚いよ。これ」

入れろ 入れろて。 そのカスごと、はよ、ほれ、いれろ。

「どぽっ どぽっ・・・うっへー、濁っちゃったー。とほほ・・・・」

よーしつぎー、上層濾過のフィルターを握って〜

「叩きつけるんですか?うらみ晴らすために。」

ぶあっーかもーん。ちがーぅ。

水槽の中で、洗ぇー。

「へ?」

ごしごし、洗え。水槽がバケツだと思って。手もみ洗いじゃ。

「こ、こーですか?じゃぶじゃぶ・・・じゃぶじゃぶ・・・ひーほんとに濁ったよぅ。

もう、何にも見えませんよ・・・本物の濁りですょ これは。」

よーし。ヨーく洗ったら、水槽の上で絞って・・・・

「はぁはぁ」

これで、しばらく上層濾過装置は お役目ゴメンじゃ。

なんなら 筆箱 にでも使っておくれ。 ちょうど良い形をしておる。
像が踏んでも壊れんぞゥ。・・・モハメダゥ?(理解不能)
「どーしても、シャレを言わないと先に進めないんですね・・・・」

よし。休憩じゃ。

「グッピーは・・・戻さないんですか?でもいまは濁って何も見えないしなぁ・・・

こんな中に入れたら死んじゃうかな・・・・」

んむぅ・・・・よし、戻そう。ほれ、入れろ。じゃーっと。

「ぇ?いいんですか?なんか、即死しそうだけど・・・・」

まぁ大丈夫じゃ。水温がほぼおんなじだし。

pHはちと高く変わったじゃろうが、ダイジョブじゃ。ダメならダメでもよぃ。

「ょーし・・・・ほれ〜がんばれよー!」

おー・・・見えなくなったの・・・お、出てきた・・・あ、みえなくなった。

なんじゃにごっとるのぅ、この水槽はァ。

「親分のせいです。・・・稚魚も入れるんですか?この中に・・・・

でも隠れ家が無いじゃないですか。」

なにっ!


ぁ。 炭素繊維を忘れとったワィ。
 

・・・・どーするかのぅ?・・・このままでも、珊瑚が粗いんで・・・大丈夫なんじゃが・・・・

「早く早く。もう20分経ってますよ。」

藻場か・・・ナニがェェかのー・・・・もば・・・もば・・・

んー・・・藻場・・・んむぅー んむー んむー んぐー んぐ?、

んぐーんぐー・・・ぐー ぐー ・・・・スースースー・・・

「こら!ねるなー」

はっ。・・・おはよう。 おっと、藻場じゃな。よし。

石ひろってコィ。
 

「石・・・・ですか?どんな石?どこにある石?ナニ科?」

医師じゃな。なかなかの腕前じゃのさすがワシの弟子じゃ。上達したのぅ。(感染)

コロッとした石じゃ。水面まで積む。川から持ってくるな。陸から拾うのじゃ。

「なんで?川には一杯あるのに。」

ヒルがうょうょついておる。見えなくてもついておる。

ヒルを飼いたいのか?ヒルもなかなかエーぞ。

「ゃ、やです。」

そーじゃろ。川原の もーぜったぃここまでは増水せんぞ、というところからなら 取っても良い。

よし、3分で、取ってコィ。 スタートゥ!


「はぁはぁはぁ・・・・・とっ、とってきました・・・

お、重い・・・・・石ってほんとに重いですね・・・・」

おぅ、ご苦労。ちょうど、
 

炭素繊維を入れたところじゃ。

「チクショー!」



【そこで一言】

秘伝は探せましたか?



【解説】

下層濾過は目詰まりした場合、全く手が出せなくなり、そんなに人気はありません。

潅木、水草、石、モアイなどで、景勝豊かな水槽にセットした場合にはなおさら。

下層濾過を再生させるとなれば、もはや 最初から作り直すが如き苦労 を強いられますね。

「じゃ、なんで、そんなの用いるの?」

濾過能力を向上させるだけならば、外付け濾過装置を使用することも考えられます。

その昔は超高額だったパワーフィルターも、数千円で購入できるほど価格破壊が進んでいます。

「だ か ら、 なんで、下層濾過なんだよっ」

稚魚のためです。

「稚魚?そっか・・・吸い込み口が、ないもんね・・・。吸われないようにか。なるほど。」

(・・・ぃや、吸われないってことは無いんだが・・・・ここは・・・黙っとこう。)

「あ、じゃ、上層ろ過装置と下層ろ過をつなぐ、ってのは? ゥキー!!われながらイーアイデア!」

それは良い。一石二鳥じゃの。わしがやらんだけじゃ。とにかく上が邪魔なのが嫌なだけじゃ。

(つないでも稚魚は吸われるがのぅ・・・・)

もう2つ理由があります。

「2つも?なんですかそれは」

溜めるためです。

「は?溜める?なにを?」

サボるためです。

「サボる?メンテをサボれるの?この下層ろ過だと・・・・」



おっと時間だ。その理由は明日に持ち越し・・・。

次 回

自 然 繁 殖 の 行 方 

株式会社環境技術研究所
前橋工科大学梅津研究室

Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU Ph.D.
Associate Professor 
Maebashi IInstitute of Technoloy