【秘伝!グッピーの増やし方 第4回】(08.09.08)


お、そこの若者。待ちなされ。

「え・・・ボクのこと?・・・・なんですか・・・・」

・・・なにか、悩みがあるようじゃのぅ・・・どれ、ヒマなこのワシが相談にのろう。
話してみなされ。

「ぁ・・・ぁぁ・・・・実はですね。

産まれないんですっ。 なかなか、産まれないんです。

もう、そろそろなはずなのに。

どうしたんでしょう?一体、何が悪いんでしょう。

ボクのドコが悪かったんでしょう。ぅぅぅ、ぅっひぃ〜ぃぃぃ・・・・」



グッピーは別名ミリオンフィッシュ。はっと気づくと水槽に稚魚がいる。大きさ成魚も4cm程度で小型水槽でも大丈夫。だったら!”
”よし、いろんな水槽あるけれど、グッピーがたっくさん泳ぐ水槽を作ってみるか。
餌に群がるグッピー魚群、藻場に潜む若魚群。草葉の陰ではメスじっと
稚魚ぽろぽろと、産み落とす・・・・・"
そんな小宇宙水槽を夢見て、【秘伝グッピーの増やし方】なる壮大な物語が始まっています。

第一回目は、水槽の準備と立ち上げ時の餌について、見事な秘伝が披露されたようです。
第二回目は、立ち上げ時の汚れの処理と餌の与え方について、意味不明な秘伝のたわごとが語られました。
第三回目は、グッピー交尾のシュールな描写に始まり、恐るべき水換方法の伝授、
そして槽内の水流観察の大切さにこそ 秘伝あり との お告げ が下されました。


どれ、ワシに見せてみぃ。これでもワシャ飼育のプロじゃ。

「ハィ・・・・こんな感じですけど・・・・」

ヲー・・・・なんというか・・・・これは・・・・・飼い始めて3週間じゃな?

「ぃぇ? 4日めですけど?」

ウソつけ、3週間目じゃ!

は、はぃ、3週間経ちました。確かに。20日以上も 経ってたんですねぇ・・・・

良くわかりますね。さすがは占い師だ。」

預言者の モハムダゥ じゃ。

うむ・・・・。 餌にはコナミをやっとる様じゃな。

「すごぃ!なんで解るの?」

ふちに ついておる。・・・・ぉぅ、メスの腹はなかなかでっぱっとるではないか。
こりゃ、もう近いぞ。

・・・・それにしても表面が汚れておる。なんじゃ、この緑色は。
ライトを照らしすぎじゃ。魚飼うのにライトなんか要らん。

「でも・・・暗いと よく見えなかった。ライト照らすときれいだったし・・・・」

これでは、イカン。 よし、拭いてやろう。ゴシゴシ・・・ゴシゴシ・・・

「コシコ ・・・シコ シコ ですね。」

ぉ?良くわかるな。 シコ シコ・・・・・



ぉぅ、キレイになった。どれどれ・・・・・・

んむ?

「どうしました?」

この、端っこの上のほうに見える・・・・細くて小さくて黄色白っぽいチョロッとした、

水面上でホバリングしておるのはなんじゃ?

わしゃ目が悪くて良く見えんのぅ・・・・
 

「エ!!」
 

「ア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜う ン で る ぅ ぅ ぅ ぅ ゥ ゥゥゥゥゥゥ」
 

「やったー!稚魚だー。やっややったぁ、産んでました産んでましたよ!!

なんだびっくり。気付かなかった、気付きませんでしたよぉ。

さすがは預言者のメホメデゥさんだ。よく見つけてくれましたね。」

マホメドゥじゃ。

(え?モハムダゥ じゃなかった?)

ナニ?おまいさんが探しとったのはコレか?

わしゃてっきり蚊の卵かと思ったんじゃがのぅ。ふぉっ ふぉっ ふぉ。

「え? なんの飼育のプロだと思ったら・・・・・」

りゃ、ワシの専門は ユスリカ じゃ。 アカムシじゃ。 ボーフラじゃ。

ボーフラはいーぞー。

水槽上部の水際にな、細いナスのような透明なゼリー状の卵を産んでな。

3日もすれば卵から孵ってな、

それから1週間もすると、底に黒い筋がべっちょべっちょついてな、

それを無理に剥すと 中に赤い アカ虫がいてのぅ。

水中をくねくね舞うんじゃ。
 
そんでな、

2週間も経つとな、そっからボーフラが上がってきてな〜

「帰って。」


「やったぁ。それにしても、気付かなかった。あ、ここにもいる。お?ここにも。

おぅ、ここにもだー。4匹かな。いるぞ〜。
・・・・・
・・・
・・

ひー・・・

困った。このあと どうすればいいんだろう?

もっと、生まれるかもしれないのに。

稚魚食われるって言うし。もしかしたら もう、食われたのかも。

あ、だめだだめだ、とらなきゃとらなきゃとらなきゃ。稚魚救出だー」


お、産みましたね。いやよかった。よかった。

「よかったじゃないですよ。このあとどうしたらいいんですか。

稚魚はたった4匹しかいないし。
成魚は7匹。どう考えても危ない・・・。

そういえば、なんの準備もしてなかった。

変な占い師が来るし・・・・」

ワシか?  (占い帽子を被る・・・)

「ェ?・・・・あ。なんだ、変装してたのか。」



さ、水槽を観察してみましょう。   (占い帽トル)

60cm水槽、上層濾過装置だけで濾過。水槽には砂利を入れていません。

3週間後経過によって、アンモニアも亜硝酸も、それほど発生しなくなっていますね。

水換えは7日後に一回しただけなので、水は少し黄ばんできました。

水槽の底にはねばっとくっついたズーングレアが黄土色に薄っすらついてます。

微生物もコナミのおかげでかなり発生し、上層濾過装置をあけると、

ぷーんと、”すえた”においがします。

そんな中で、メスがどうやら稚魚を産み落としたようです・・・・。



【秘伝開始】

じゃ、どうしましょうか?

「どうしましょうかって・・・・」

どっちがいい?

「どっちって・・・ナニとナニ?」
 

Aコース→小型水槽を用意して、飼育を2箇所にする。
 

Bコース→この60cm水槽を改良して、稚魚と成魚を一緒に飼う。
 

さぁAコースかBコースか! それとも とっくりコースか!(無視)
 

「Aコースの方って、どうなるの?

あ、そうか・・・小型水槽に稚魚を入れて別に飼育するのか。」

逆だったりして。(軽めの秘伝)

「ぅーん・・・・ちょっとBコースの概要を お話下さい。」

あ、お客様。

Bコースにご興味がおアリなんですか。さすがはお目が高い。(手を揉む)

Bコースは水槽中身を思いっきり作りかえるコースでございますよ。

いままで、底にはナンにも敷いておりませんでしたが、ソコには

下層濾過板を敷いて その上に 珊瑚石をどっちゃり敷かせていただきます。

最近では珊瑚石の代わりに全部活性炭を敷き詰める、なんてのも はやっておりますが、

まーまー今回は、そぅゆぅのはヤメに いたしまして、

とにかく下層濾過を行なわせていただく という計画でございます。ハイ。

ですから、エアポンプは、あ、このβ6000を使わせていただきますね。

そーですねぇ、この、炭素繊維というものも置かせていただきましょう。

ぃ〜ぃ、藻場になりますんですのよ〜。ホホホ。

そして、あーこの上層濾過装置は、まぁあっても良いのでしょうけど・・・なんかこう、邪魔でして、

お邪魔でしょう?上の半分がこんなので埋まってるなんて ねぇ。

このさい、ポーンと捨てましょうね。 ハィ、ぽーんっと・・・・

「ちょっとちょっと、戻して。もどして・・・」

ささ、いかがですか。このようなご計画では・・・・

「なんで、突然、店員になったの?今日は変身シリーズなんですか。」


「うーん。どうしよう。AコースとBコースってどんな利点や欠点があるの?」

Aコースの利点は、成魚と稚魚を分けるのだから、成魚に稚魚は食われない。

餌も別にして、チ魚用の餌、成魚用の餌、なんて工夫できる。

あ、こんどはこのメスが産んだ、何匹取れた、って数えられる。

「そーか・・・なんか真っ当な感じだなぁ。

でも、稚魚が生まれたら即座に取って稚魚水槽に移さなきゃいけないよね。・・・欠点は?」

Aコースの欠点は、世話する水槽が増える。

「そりゃ、そうだけど・・・・水槽は小さいのでいいんでしょ?稚魚なんだし。

水もそんなに汚れないと思うし。」

そ れ は ま チ が い で す。

私は人に間違ってると、そう簡単にはいわないタチですが、それは、間違い。

稚魚を育てる水槽にもヒーターは必要です。
稚魚を育てる水槽にも濾過装置が必要です。
稚魚を育てる水槽にエアレーションは重要です。

そして
稚魚を育てる水槽は、実は とっても とっても 汚れます。

「じゃ、もしかして、また60cm水槽なの?チ魚のためにぃ?」

若者ょ。君は稚魚と成魚のどっちが大事なんだね。どっちが弱弱しいのかね?どっちを残すことが、後の将来に繋がると思うのかね?
(たたみかける・・・・後の将来ってのは日本語×)

「ち、ちぎょ・・・なのかなぁ・・・この場合・・・でもどっちも大事だよ。」

じゃ60cm2個にしよ〜。

「置くとこないですぅ。」

じゃBコースに しましょう、お客様。

(Bコースだと店員?なんでだ。)



「Bコースの利点は?・・・・そっか、世話する水槽は一つだけだんもんね。

中身を替える苦労はあるけど、そのあとは、

餌やったり、水換えたり、掃除したり、ガラス表面拭いたり、

そして

観察するのも、たった一つの水槽で済むんだ。」

よ く お 解 か り で。

 ありがとうございますぅ。(手を揉む。ココも。)

「もしかすると、・・・値段も安いのかもしれないね。」

んっ まー、なんてすばらしい。よくご想像なさいました。Bコースで・・・よろしいですかね?(もみもみ)



「ぢゃ・・・B こーす・・・で・・・いいのかなぁ?

Bコースで。

お願いします!」

え?ほんと?ほんとに?よろしいのでござますか?(にこっとしながら目はニラム)

「うん。」

はーい、Bコースに、きまりました〜。パンパカパーン!!

「なんで、なんで?なんでそんなに喜んでるの?」

よし!君は今から私の弟子だ。

そうだな・・・・そう、親分と、呼びなさい。

「カナブン」

ばかものゥ。

「・・・・親分」



【そこで一言】

なんかあんまり秘伝ぽくなかったか・・・


さぁ、うっかり弟子入りしてしまった若者と

グッピー稚魚の運命やイカに!

超!ロングバージョンを予感させるこの物語。

まるで24やLOSTやプリズンブレイクのように終わりそうで終わらない永遠に続くのでしょうか!

次回

循 環

株式会社環境技術研究所
前橋工科大学梅津研究室

Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU Ph.D.
Associate Professor 
Maebashi IInstitute of Technoloy