【秘伝!グッピーの増やし方 第1回】(08.09.05)


「ひでん、ときましたね。」

秘伝と、きました。

さぁ皆さんもぐじゃぐじゃグッピー水槽を作ってみましょう。

「秘伝 蛍の増やし方のほうがいいんじゃない?」

ぁー、あれは秘伝にならん。地味な努力の成れの果てじゃ。



「わーぃ。さぁ教えてもらおうか。まずどうすればいいの?」

やっぱり、水槽とグッピーが要りますね。

「そ、そりゃ、いりますよね。あと水も」

水も要るねぇ。

「エアポンプも、いりますよねぇ。」

要りますね。

「・・・・この調子でやってると絶対秘伝まで到達しませんょ ね。」

ほ、方向を変えましょう。



ぐっぴーは

初心者の人から、超越の世界に到達したウルトラマニアの人まで、

世界中で大勢の方が飼育されています。

模様の違うグッピーを交尾させることによって、

親魚とは異なる種類の模様やヒレを持つグッピーを生み出します。

稚魚は3ヶ月程度で成魚に成れることから、結構テンポよく交尾産卵を繰り返せます。

よし、今度はこのオスと、このメスで、

その次は、

この雄と この雌で・・・・

という具合に、選んで交尾させて成長させて、

”おーこんなにキレイなグッピーが作れたぁ”

と言うような楽しみ方ができる熱帯魚です。



もちろん

熱帯魚飼育が初めての方は、

最初からそこまで考えてグッピー飼育を始めはしないでしょう。

グッピーの楽しみ方は様々です。

他の熱帯魚と混泳させて、いろいろいるなーという水槽。

「ぅん、それはよくあるね。」

水草を楽しむ水槽に、ただの飾りとして入れても、

「あー、水草がとっても美しい水槽に、ひらひらとグッピーが泳ぎ、
草葉の陰に、稚魚が潜んでる って やつだね。」

とことん、妙な姿形の個体を追い求めても、

「は?なにそれ」

あるいは”血統主”といわる高価なグッピーの、

その系統を純粋に維持して行くぞ、

という崇高なる目的を抱くことも、

「ドイツイエローの正しい系統を維持する、とかですかね」

そうです。

それら全て、個人の自由な楽しみ方です。



だから、その楽しみの中には、

”よし、可能な限り、増やしてやる。”

”べらぼうな密度で、グッピーを水槽に存在させてみたい。”

”そして、エサを投与すると、ぐぁーと集まり、われもわれもと貪り食う小魚の群れを見て、

心を癒されたい・・・”

と、思うことも、グッピー飼育の楽しみ方の一つといってよいでしょう。

それがアンタだもんな。」

へぃ。



そんなわけで、様々な熱帯魚の飼育方法が書かれた本があるわけですが、

これから始まりいつ終わるかは誰にも解らない

この秘伝!グッピーの増やし方シリーズの内容は、

一般的な飼育の本にかかれてあることと矛盾すると感じられることが、時々たまに、あると思います。

「本のほうが、間違っているってことですか?」

ぃえ、普通の飼育本は、絶対全然間違ってはいません。

私がここで記述して行く内容は、

”べらぼうな密度で、グッピーを水槽に存在させてみたい。”

を、目的としています。

ですから、例えば、

”60cm水槽で安全に飼育できるグッピーは成魚で20ペア程度”

というような一般的なセオリーとは、最初から前提が違うということなのです。

そして、その前提のために、

水換えや給餌や濾過などの方法も、ちょっと違ってくるでしょう。

「どんな風に?」

”えー、そんなこと、ほんとにやるのぉ?”と言いたくなるように。

「ふーん。それで?60cm水槽、水量56リットルだったら、
何匹のグッピー成魚を飼うのを目標にするの?」

よし、まずは、400匹にしましょう。

「安全の10倍ですね。」

それを、目指しましょう。

ちなみに、400匹の成魚、そのうち半分200匹はメスだとして、

200匹のメス成魚が健康に泳ぐ水槽では、

ほぼ毎日出産(稚魚放出)可能なメスが存在し、

必ず水槽のどこかで稚魚が生まれている、稚魚が隠れている、

そして、
稚魚が食われている・・・

という水槽となります。

「壮絶ですね。でも、面白かも。」


「ょーし、じゃーグッピー買って来ますねー。

200ペア400匹でいいんだよね。

雑種でいいや。大安売りしてたし。

ペア@300円として 300×200=60,000円か。

た、タカイ・・・・」

ちょっと、ちょっと、最初から400匹も買って来てどうするの。

第一、そんな数 置いてるショップないでしょう。

何の準備もできていないんだから、無理。

あっという間に、全滅しますよ。

「冗談です。とにかく買い物。水槽買わなきゃ。どんなのがいいの?」

60cm水槽がいいです。
曲面ガラスでなければ、60cm水槽は2,000円で買えるはず。

「ちょっと、初めてやるには大きくない?」

で、でも、そのほうがあとあと楽です。・・・・・安いし。

これにしましょう。

この、
60cm水槽と、ライトと、ガラス板と、上層濾過装置と、ヒーターと、温度計と、ハイポと、
お、エサまでついてる

というセット商品。6,000円ぐらいで買えるはずです。

「はぃ。じゃ、6千円頂戴。」

え?私が買うんですか

「他には要らないの?」

あと、アミとバケツとエアポンプとエアチューブとエアストーンと・・・・

「砂利は?」

まずは、砂利はやめよう。水槽には何にも入れない、ってことで。
 

「グッピーは、何匹買ってくればいいの?」

まだ、買っちゃダメ。

「ぅー」



「はぁはぁ・・・買ってきました。」

ぉう、ご苦労。じゃ、水槽をセットしましょう。

場所を決めて・・・・組み立てて・・・・
電源用意して・・・・

水道水入れて・・・・・ハイポは・・・入れたこと無いな・・・

上層濾過装置もセットして・・・

ヒーターもつけて・・・・エアポンプもつけて・・・あ、温度計も・・・

エアストーンも中に入れて・・・

「よし、運転開始〜。」

スイッチ、オン。

しゃー・・・・ぶくぶくぶく・・・

「ぉー。きれー。なんかわくわくするね。よし、行って来るよ」

まだ、だめだってば、グッピーは。

「ち、

いつまで待てばいいの?」

あと、一週間かなぁ・・・・・いや3週間は、待ちたいものだ・・・・。

「ぇー。いやだ、そんなに待てない。買ってくる。」

ぁ、まてー。



「へへー。5ペア、買ってきました。地味に。」

ほー。 これは これは・・・・活きが、悪いね。メスは痩せとるし。

オスはなんか、へろへろしてるなぁ・・・・。

さすがに 安売りの雑種グッピーは 違うなぁ・・・・

「なんでぇ、けちつけてぇ。これじゃ、ダメだっての?」

ぁ、いやいや。これで、とにかくスタートしましょう。

ちょうど、水温も26度になったし、濾過装置も、水流だけは作っている。

じゃ、水慣らしを充分にして・・・・・ほれ、泳げ〜。

「ぅあーぃ。グッピーが入ったよ〜。おーいい感じだねー。」

うむ。

この全くバクテリアのいない、ただの水が動いているだけの、

濾過装置も全然濾過できない濾材が水を通しているだけの、

酸素だけは充分にある、この60cm水槽に、

今、10匹のグッピーが投与されてしまいました・・・・。



【そこで一言】

秘伝はどうした?

いつ秘伝に到達する。


「わーぃ。エサやらなきゃ。」

エサか・・・・やるのか、やっぱり。

「うん。エサもセットに付いてたし。」

やりたい?

「うん。やりたぃ。」

どーしても やりたい?

「や り た い っ」

・・・じゃ、買い物してきて。

「へ?」

これ、買ってきて。

「ぅえ?こ、こ、こ、こ、こ・・・・・・・こなみるくぅ????」

そう。このバクテリアの全くいない水槽では、背に 腹は 換えられん。(意味不明)

「じゃ、買ってくる・・・・」

ほんどは、ドブから泥とってきたいところだし、

田んぼにいって、底泥を コソドロ したい気持ちで一杯なんだが、

この際、水槽で泳ぐ10匹に、ヒトミゴクウに成ってもらうしかなさそうだ・・・



「買ってきました。ホラ、つよいこ。」

ぉ、梅津研究室ご用達だな。ステップは尾崎研究室なんだが。

「なんか、違うの?」

ぜんぜん。どれでも同じ、何才用でもOkです。

じゃ、ふた開けて。

さー!エサをやろう。

手で、極わずかにつまんで〜。

「これくらい?」

あ、ちょっと多いな。

「え?じゃ、こんなくらい?」

あ、ちょっと多いな。

「へ?じゃ・・・・・コレ、くらい?って、これじゃぁ指に粉ついてるだけじゃん。」

そう、それぐらいでいい。
 

「ぽろぽろぽろ・・・・・ぅぅ・・・餌やってる気がしないよぅ」



「ぁ。食ってる。食ってるね。食ってるよ。食ってるじゃん。食ってますよ。食ってなんぼだよ。」

おゃ? 予想に反して結構 元気だな・・・・

「もっとやっていい?」

いいよ。

「ぽろぽろぽろ・・・・おー食ってる食ってる。もっとやっていい?」

いいよ。

「ぽろぽろ・・・もっと。」

いよ。

「ぽろぽろ〜」



「あー、なんか、水槽がちょこっと白濁したみたいだよ。ヤバイかなぁ」

よし。えさやり止め。

「ぅん。どうもエサをやりすぎたかな。粉ミルクだけど。

で?このあとどうするの?」

待つ。

待ちましょう。とにかく一旦透明に戻るまで、待ちましょう。

「透明になったら?また餌やっていいの?」

いいよ。

「エサって、粉ミルク?」

そう。

「量は、あの指につけて こすって ぽろぽろ で?」

そう。

「ぅーん・・・なんかやりがいないけれど・・・まぁいいか。

この普通の熱帯魚のエサは?」

まだ、ダメ。

「なんで?」



【今日の解説】

粉ミルクは、微細な顆粒状ですが、それでも様々な栄養源が含まれています。

たんぱく質も糖分も炭水化物もビタミンも、それなりに入っています。多分。

グッピーが捕食しても何の問題もありません。多分。

セットしたばかりの水槽。

全くバクテリアのいない水に、いきなりグッピーを投与したという今日の話の設定で登場した



【秘伝】

それは、

粉ミルク、極ちょっとづつ入れましょう。

グッピー食ったら そりゃよしで、

食わなきゃ食わない、濾材にくっつき、

数日後には、微生物。

どっから来たか、微生物。

空中浮遊の微生物、手に付いていた微生物、バケツに付いてた微生物。

とにかく最初はわずかだが、必ずいるぞ微生物。

それを上手に増やしましょう。

というワザでした。


粉ミルクには窒素分が少ないため、アンモニアの発生は少ないのです。

そのため、初期水槽で最も恐れるアンモニアの巨大発生を防ぐことができます。

アンモニアはグッピーからも発生しますが、

少量の粉ミルクを投与し続けた場合には、

有機物とアンモニアの量のバランスが非常に良くなり、

溶存酸素が多量にあることが条件で、

良好な好気性菌が育成されます。

ほとんど無菌の状態である場合には、

初期には一種類の微生物がどーんと増えてしまいます。
具体的には糸状菌、ふわふわしてガラスにもへばりつくアレです。

しかし、その後、その菌をベースとして、様々な菌が発生していきます。

「それって、魚に悪くないの?」

悪いのも いるかもしれません。

しかし、経験上、溶存酸素の豊かな環境で育成する菌群は、
魚に悪さしないことが多いのです。

今日の話の中で、最も悪さをしそうと考えられるものは、

「なに?粉ミルク?」

いえ。買ってきたグッピーです。

「えー。グッピーに悪さをするのが グッピーなの?」

いえ。グッピーに付いているかもしれない、悪さをするものです。

「あ、買ってきたグッピーになんか変な菌が付いているかもしれないってこと?」

そうです。

「あ、買ってきたグッピーになんか変な寄生虫が付いているかもしれないってこと?」

あ、寄生虫のことは、よく知りませんが・・・・タマに、あるかもしれません。

「ひゃー。どうしよう。もう水槽に入れちゃったし。」

「あ。ぁあ・・・そういえば。ふくろの水も一緒にいれちゃったよぅ。しくしく・・・」

手遅れです。でも、大丈夫。たいしたことありません。

「え。なんで。」

だって・・・ひとみごくう だし・・・・。

「エー・・・ひどい。ひどいよー。

あのグッピーは試験魚なの?最初から犠牲にするつもりなの?」

あいやいや。もしかすると、このまま、生きて、稚魚を産んでくれるかもしれませんよ。

5匹もメスがいるんだから、きっと、産みますよ。

まぁ、買った当時があの状態だと、数匹はばたばたと死ぬかもしれませんが、

きっと生き残ります。あと1ヶ月生きていれば、オスは全部死んでも大丈夫。

そのとき、腹がでっぷりのメスが一匹でも生き残っていたら、
そこから100匹ぐらいは稚魚が生まれてくるはずです。



【そこでもう一言】

死んでも残る。

死んでも残す。

子孫を残せ。

仕損じるな。

成魚泳ぐは 子孫を残す ためにあり

明日につづく・・・


株式会社環境技術研究所
前橋工科大学梅津研究室
Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU Ph.D.
Associate Professor 
Maebashi IInstitute of Technoloy