連載「平家蛍幼虫の簡単な育て方」第二回(07.05.03)


生物飼育での、強敵はね。

「ぉ、いきなり、強敵の話ですか!」

い じ り た い

気持ち、なんですよ。
 

「へ?なにそれ。」

私は、長時間観察することを大事にして、是非それを他の人にも薦めるのですが。

「そーね。観察観察観察観察・・・・・・・て、書いてあるよねぇそこかしこに。」

観察すれば するほど、いじりたくなるものです。

「そ、そぉ?そ、そんあこと、なぃょ」

といいつ、その手に持ってるスポイトで、何する気じゃ・・・・



浅めの小さめの小容器に、2齢幼虫100匹。

エアレーションは、水面で極弱く。

涼しい日陰に置いて、この5月、又は6月、又は8月。

さぁ、とにかく、平家蛍幼虫の
2齢からの飼育のスタートです。


「ぃや〜・・・2齢幼虫って、小さいねぇ。なんかまだ、糸くずみたいだ。」

そうです。大きさは3mmから4mm程度。
でも、一度脱皮しているので、1匹1匹の見分けは付きます。

卵から孵化したばかりの1齢幼虫では、あまりにも小さすぎて、
ゴミと見分けが付かないほどですが、

2齢幼虫であれば、それなりに個々の観察できますね。

「うーむ。100匹いると、いうことなんだが・・・・これっぽちで、ほんとに100いるのかしら?」

平家蛍の幼虫は、お互いが絡まり団子になることもあります。

2齢幼虫100匹全部を、水を切って手のひらに置くと
小豆粒1個ぐらいしか、ありません。

こっから、スタートです。

飼育開始〜!


おっと、時間だ・・・・。

「ダメ!こんな中途半端なところで、やめてはなりませぬ」

ぅぅ・・・・



2齢幼虫100匹への餌の与え方


タニシの場合
ヒメタニシでも、マルタニシでも、殻高5mm以上のものは、2齢幼虫は襲えません。

「5mm?そんな小さいタニシいるの?」

日本のタニシは卵胎生。卵生みつけそれ孵るのではなく、
雌タニシの腹の中で、卵は孵化して、出できます。

「ほー」

ヒメタニシの稚貝は、3mmから4mm。
マルタニシの稚貝は、4mmから5mmぐらいあります。

「と、なると、タニシの場合には、生まれたばかりの稚貝なら、
生きていても、2齢幼虫は襲えるんだね。」

そうです。
普通、捕獲したタニシは殻高1cm以上ありますから、
それをごろんごろん、と、飼育容器に入れても、
2齢幼虫は簡単には食えません。

「えー・・・・タニシ、大きいのしか、ないょぅ。」

うんむぅ・・・・ほんじゃ、割って身だけ与えましょう。

ただし、その場合には、水が極端に汚れますので、
2齢幼虫100匹の場合には、1個分だけね。

「この、3cm以上のマルタニシでは、1個でも多いのでは?」

そうですね。その場合には、残念ながら半分以下、1/4程度で。

「余ったのは?」

次の日にやるとして、冷蔵庫に入れるとか。

「それを、発見した おっかさん を想像すると・・・」

食うかも。いやいや・・・・。おんつぁれます(置賜地方語)。



「じゃ、カワニナは?」

タニシと同じく卵胎生のカワニナ。でも、稚貝は0.5mmから1mm程度です。
これは、本来1齢幼虫の餌なのです。

でも、2齢幼虫でも何とか食う。

カワニナは、8mmぐらいの大きさまでなら、2齢幼虫は襲うことができます。
できるだけ、小さい稚貝を投与すると、自分で襲って食べるところが見られます。

「おー、幼虫が、カワニナの稚貝を襲ってるぅ。」

お、チビニナの背中に乗りかかりましたね。

「ぁー!チビニナが、いやんいやん、してるぅ。」

あ〜・・・失敗。振り払われてしまいましたね。

「うーむ・・・くわれん・・・なかなか、くわれん。襲うのへただ・・・
よし!このチビニナに、一撃を加え、弱らしてみよう!」

私も、昔、やりました。半殺し状態ですね。

ちとむごいですが、たしかにそれを行なうと、食える場合があります。

「ダメなの。これは、”いじる”に属するのですかね。」

いやいや、大変、良い方法だと思います。

大きいカワニナの場合には、タニシと同じ。身だけ与えます。
量も、タニシと同様に、少しだけです。



サカマキガイの場合

サカマキガイは、どんなに大きくとも7mm程度。

蓋が無いので、襲われやすく、大体は食われます。

食われない場合には、潰してやっても良いでしょう。

サカマキガイの場合には、生きたまま多量に入れても、結構平気。
一番楽な給餌です。



シジミの場合

あまり良い餌ではありませんが、スーパーで買えるので便利。

この場合には、2齢幼虫が襲えるとはいえ、
必ず身だけ、100匹なら1個の半分以下が良いでしょう。



その他の餌。

モノアラガイは、食わない、襲わないことが多いので、
潰してむりやり食わせるしかないのでは・・・・

アサリ、ハマグリ、などの海の貝は、それなりに食うのではありますが・・・・

「ナニ?高級品なのにぃ」

数時間後、それはそれは、臭います。

「くさいのね。」

もー、ホタテなんぞは、気持ちの良いほど、ホタテくさい。
ウチ中、ホタテ臭です。

みんなホタテに変身できるぐらい、ホタテくさいでしょう。

家族全員からストップがかかります。

そして、臭う分だけ、強烈に水を汚します。
匂いがしたら、もう、餌を取り除き、水を換えなければなりません。

「あ・・・あわび なんて、どうかね。」

あわびは、食いますよ〜。結構人気。

でも
サビ抜きでお願いします。

「サザエは?」

サザエは、まぁまぁでした。ジャンボタニシと同じぐらいです。

2齢幼虫には、海の貝は向きません。

とにかく、みんな、臭いこと間違いなし。

それと、それらを食って大きくなれるかどうか。
最終的な成虫、羽化率を落としてしまう危険性があります。

食べるからと言って、変なもの食わすと、あとでたたるかも。



【超重要】

餌やりは、観察と共に。
昨日入れた餌が、今日残っていたら、厄介です。

食べ残しを取り除くことになりますが、
その際に

いじる

ことに、なってしまいます。

スポイトやピンセットで、餌カスを取り除くとき、
うっかり、幼虫を挟んだりしてしまいます。

それらの一つ一つの動作が、幼虫の余計な欠損を生む羽目になるかも。

適切な量の、食べ残しの無い餌の与え方を。

それらは、全て毎日の観察でわかります。



「なんだよ。2齢100匹なら、サカマキ何個、とか、ちゃんと数で教えてよ。」

ムリです。

温度や水質や個体差で、様々変わります。

その上、
2齢幼虫は、早い場合、たったの1週間で3齢幼虫になります。

「エ、いっしゅうかん?早いね〜」

そうです。食ったもの勝ち、良く育つ幼虫はどんどん大きくなります。

その状態は、その速さは、千差万別。

だから、
飼育している人が、毎日の世話の中で、毎日の観察の中で、
与える餌の量と、与える餌の種類と、与える餌の大きさを、
決定しなければならないのです。

「めんどぅだね。テキトーに、ごろごろ貝を入れといたらどうなるの?」


いつの間にか、幼虫数がぐんと、減っているでしょう。

数匹の成長の早い幼虫だけ、見えて、後は、2齢のまんま。

食われないで死んだ貝殻の中に幼虫が入り込んで、その中で腐って死ぬ。

あたりが、経験上、予測できる、貝ごろごろ投与の末路です。


とおっと、時間だ。
今日はコレまで。

【予告】
簡単な
平家蛍幼虫の
育て方

次回は
水の換え時と
水の換え方
です。

連休明け、本サイト、
EEL NEWにて

株式会社環境技術研究所
前橋工科大学梅津研究室

Editor (oo)Tsuyoshi UMETSU P.hD.
Associate Professor 
Maebashi IInstitute of Technoloy