よし、
この小川は、実に自然だから、放流しよう!
よし、
この池は、実に自然でいい感じだから、放流しよう!
よし、
これはじゃ、そもそも、蛍を出すために作ったビオトープなんじゃから、放流するのじゃ!
今、4月下旬。
蛍鑑賞のシーズンまであとわずか。
今年は、ここで、蛍を出したいぞ!という気持ちになりますね。
そこで、ここなら、何とかなるんじゃないか?と
思わず思う、その場所の、適正チェックをして見ましょう。
ところで、蛍といえば源氏蛍と平家蛍。
源氏蛍は6月初旬から下旬、
平家蛍は6月中旬から7月中旬、
が
成虫の出生時期です。
実際には源氏蛍の出生条件は、平家蛍と比べてウルトラ難しいので
ここでは
平家蛍に焦点を、絞りますね。
今4月の下旬。
源氏蛍の上陸時期は、ほぼ終了です。でも、
平家蛍の5齢幼虫であれば、まだ間に合います。
「エ〜・・・源氏のほうが大きくて光も強くて良く飛ぶのにぃ・・・・」
いやいや。とにかく源氏蛍のは、また今度。
暗いですか?
「なに、いっとる。夜は、暗いもんじゃ。暗いにきまっとる。」
と、いう現代の普通の屋外の夜は、どの場所も全然暗くありません。
ベストの条件は、ぐるっと見渡して、人工光が全く見えない状態。
「えーと・・・・あれ?そんな場所、いまの世の中、どこにあるの?」
と、言うわけで、この条件で、大体の場所はNGとなります。トホホ・・・・。
「もうちょい、基準を下げてよ。」
その池や小川の周囲が結構草ボーボーで、
外灯やら民家の明かりが、かなり遠くに見えるか、
木々草で、隠れていて、
あるいは板塀でもつくって、故意にさえぎり、
光が池を直撃していなぃ・・・・。
照度で言えば、地面や池に計器をおいて、0.5ルクス以下かなぁ。
「そんな機械、持ってません。」
じゃ、満月の光がありますね。
「はぁ」
その満月の光よりも、周囲の光は全部弱い。
「よっしゃ、OK!次に進もう!」
流れが、無い、または、すごく遅い、ですか?
「なに、言ってんの!流れが無けりゃ、よどんでコン汚いじゃない。」
そうです。小川と言えば、流れが無ければ水無くなって、小川じゃなくなる。
池の場合には、流れなしでは、アオミドロどろどろで、
水面に、なにやら油見たいのも浮くかも。
さらに、羽虫がぶんぶん湧き、夕方は羽虫ダマリになるかも。
でも、小川では、流れが速いとダメなのです。
池でも、流入量が大きいとダメなんです。
幼虫が流され移動し、その場にはいなくなってしまいます。
「じゃ、川だったら、どのぐらいの流れがいいの?」
水面に、枯葉を浮かしてね。
「ふむ。流速を測るのじゃな!」
1分間で、1m位がいいなぁ・・・・・
「ぶわかもん!そんなの遅すぎて、小川とは言わん!」
じ・・じゃ、ところどころに、よどみができるように、土堆あったり草なんか生えているっていう条件付で、
「うむ。」
10秒で、50cm水面の枯葉が、移動する。コレぐらいがもう、最低条件です。
「厳しいのぅ。池では?」
池では・・・・流入場所は、ともかく、流出場所が問題です。
流出場所で、上記の小川の条件ぐらい、トロい流れであると良いですね。
「き、厳しいのぃ。」
周囲に陸地はありますか?
「ばかもの。あるに、きまっとる。無ければ地球の終わりじゃ!」
と、いうか、もちろん。上陸条件です。
蛍の幼虫は、水中から陸に這い上がって、土の中で蛹になります。
そして、3週間から1ヶ月間、土の中で過して
蛹になって
成虫になります。
だから、そのことを、理解していただき、それに合うような土壌の条件になっているかを
確認しましょう。
「ふーむ。そうすると、まず、水中から陸に登ってこられるか、どうかじゃのぅ。」
そうです。直壁でも数センチなら登りますが、
できればゆったりしたスロープになっていて、
「ふむ。」
その斜面と言うのは、石や砂利じゃなくて、泥や土でできている・・・・
「そんなもんじゃ、崩れてしまうじゃろー」
そうです。ですから、結構、難しい。
「石で作った護岸はどうじゃ?」
悪くはありません。
人工的に、池周囲や小川の側壁を石で止めると言うのは、
実に多く行なわれていることです。
少なくとも、コンクリで固めるよりは、自然だ、ということでしょうね。
ただし、蛍幼虫にとっては、石でもコンクリでも、それほど差は無いと思います。
水面からの上陸高さが、数センチしかないのであれば、
石でもコンクリでも、登ります。程よく濡れていれば。
問題は、
「もんだいは?」
その周囲の、陸の土です。
「周囲は土じゃ。問題ない。」
では、指でほじくって見て下さい。
「指でか?・・・・・ち、ちと、硬い。ほじくると指がイタイ」
硬いですね。幼虫はぐにょぐにょしていますから、圧力には強いのですが、
赤土やなんとか土とかを人工的に敷いて、
締め固めや排水を重視した工法を用いている場合、
それがキレイな土表面に見えたとしても、
上陸した蛍の幼虫にとっては、
〜かてー・・・潜れねーょぅ〜
となります。
「まかしとけ。苔が生えとる腐葉土で、周囲は覆われておる。バッチリじゃ。」
苔がビッチリですか?
「びっちり。びっちびっちの、びっちりの、池周囲、全面、苔ばっちり満載、じゃ。」
じゃ、その苔、幼虫放流前に、半分ぐらい、剥ぎ取ってしまいましょう。
「なんだどー!折角の自然が!!」
水の中に、貝はいますか?
「貝?貝とはつまり、貝じゃな?」
貝です。淡水の貝と言えば、
タニシ、カワニナ、シジミ、サカマキ、モノアラガイ、です。
「どれが一番良いのじゃ。」
ベストはやはり、カワニナでしょうか。
カワニナの稚貝は0.5mmぐらいしかないので、
小さな幼虫も食べることができます。
カワニナは、流れの無い池でも、それなりには暮らすことができます。
サカマキガイは、きたなーい池でも生息することが可能で、
平家蛍の幼虫が最も好き好んで食べる貝です。
タニシは、栄養満点で、タニシを食べた幼虫は、とっても健康。
弊社の幼虫の主食は、タニシです。
シジミとモノアラガイは、まぁまぁ・・・です。
それらの餌が池や小川に存在していないと、5齢幼虫を放流しても、
「食いものねぇ!」
と
なります。でも、5齢幼虫の放流の場合には、出生率は落ちるものの、
食わず食わずでも上陸するものも、いるでしょう・・・・。
あの、外来種のジャンボタニシは、残念ながらダメです。
「食わんのか?」
潰せば、食います。
平家蛍の幼虫は、ジャンボであっても、死んで腐っていなければ食えます。
ジャンボだけで育てた経験が無いので、成虫になれるかどうかは不明ですが、
とにかく、食べる事は食べます。
でも・・・・・・
「でも?」
生きて活動しているジャンボは、強い。あまりにも強い。
全く襲われることがありません。
おそらくは、移動速度が大変速く、幼虫が捕食しようとしても、負けることが無いのでしょう。
蛍幼虫が、数千匹存在する室内ビオトープで、1cmほどの生きたジャンボを数匹投与したところ、
「ほぅ、そりゃすごい環境じゃの。で?投与したところ?」
数ヶ月後に発見されたのは、
「み、見たものは?」
殻高5cmはあるかと思われる、
畏怖堂々とした、
それはそれは見事な、
そして
投与数と、全く同じ数の、
「ジャンボ、じゃったのじゃな。」
そうなのです。何に食ってそんなに、でかくなったのか、まさか・・・・・
「こわいのぅ」
「まだあるのか!」
その池その小川、そのビオトープ、周囲の人の動きはどうですか?
「なんじゃ、それは。」
池や小川が、民家、集落、道路に、市街地、小学校やら商店街・・・・の近くで、
奇跡的になぜか ど真暗になる場所であったとして、
人が近寄りやす過ぎると、ピンチです。
日中、子供たちが、そこで、地面をバンバン踏み荒らして豪快に遊ぶ。
小川や池に、網や棒や足や手を突っ込み、気持ち一杯、自然と親しむ。
「良いことではないか。」
そうです。でも、そうした場所での蛍の出生率は愕然と落ちます。
「ぅーむ・・・・じゃ親水池なんぞはむりじゃな。」
親水池といっても、なにを目的にしたものかで、だいぶ状況が異なります。
子供たちが水の中に入って遊ぶことのできる、現代の池では、
場合によっては、
「ばあいに、よっては?」
だっぷりと、塩素が投与されていることも、あります。
「へ?えんそ?なんで?」
消毒のためです。
そこの池で遊んだ子供が、傷口から悪いバイキンが入って、
変な病気になると、
子供も、お母さんも、大変です。
「そ、そりゃ大変だ。」
もっと大変なのは、そこの管理者です。
「ほぅ」
文句言われます。
「文句、いわれるのか。」
そうです。だから、そうした人工的な施設では、
生き物が住めないほど、キレイにすることが、要求されたり実施されたり・・・・
「そこじゃ、ホタルはムリじゃの。」
ムリです。
「こんどは、なんじゃ!めんどくさいことを並べられると
段々、やる気がなくなってくるではないか!」
す、すいません。でも、この条件はかなり、重要です。
消毒してませんか?
「へ?」
そうです。池や小川に直接ではなく、周囲の草や木々に、です。
よく、農薬や除草剤や殺虫のための薬品散布が行なわれますね。
「ぅ」
ご家庭の庭でも、大切な植木を維持するためには、
その手入れのプロセスの中には、
「消毒ってのは、あるかも。」
あるかも。
蛍成虫も、昆虫ですから、殺虫剤には絶対に勝てません。
「やってみたことあるの?」
あります。うちの所長が、試しに、シュッと極少量を振って見たところ、
「みたところ?」
イチコロでした、と報告しています。
「蛍にか!もったいないのー」
そうです。
無駄死に、です。二度と、やりません。
誰かが近所でシューシューやっている場合があります。
それも、短時間で、年、たったの1回だけかもしれません。
だから、その場合、その影響がどれぐらいあるかは、場所によって異なりますが、
もし、消毒散布の可能性があるならば、
そして、それが蛍出生の6月半ば頃から7月終わりまでの間なら、
「なんらかの、悪影響が あるんじゃろう なぁ・・・・」
ある、ことでしょう。
一年間、です。
「いちねんかん?」
そうです。一年を通じて、その場所、その池、その小川が、
どんな状況になっているかを、
見て知っていると助かります。、
「なにが助かるのじゃ。」
放流するか、しないかの判断や、
いつ、何をしたら良いか、
などです。
ラッキーなことに、蛍は1年サイクル。
「なんでラッキーなの?」
昔トンボのヤゴのように、数年間水中暮らしというほどではありません。
だから、1年のうちに、何があるか、過去の経験から予測することができます。
「で?条件としては?」
大雨、日照り、増水、渇水、濁水流入、土工事、伐採、草刈、氷結・・・・
とても、天気の良い、さわやか無風の晴天時に、
その池その小川そのビオトープを見て、
こりゃいける!蛍がいける、絶対だ!!
と
思うのは、少々、はやぃ
訳なのです。
そ、そう言わず。
とにかく、試しに、やって見てはいかがですか。
もしかしたら、うまく行くかも。
生き物のことですから、わかりませんよ。
「解るよ。ウチ、夏になるとバンバン消毒するし・・・・・」
いや、でも・・・・時期を変えるとか。
「いつに?」
11月頃とか・・・・・・
「アホゥ」
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【予告】 簡単な 平家蛍幼虫の 育て方 近日、本サイト、
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Associate Professor Maebashi IInstitute of Technoloy |