「なんで、過去形なの?」
2004年4月にこのホテル自体が廃業してしまったために、蛍の施設も終了したのです。
ですから、現在、これはありません。
まぁ、それでも、最初の導入例というわけで、ご説明申し上げます。
「蛍を一年中鑑賞できる水槽を、ホテル内のどこかに作りたい」という要望を受けて、
館内各所を歩き回り、適切な場所を探すところからスタートしました。
なんと言っても求められるのは「暗室」。これが簡易に作成でき、
また、真っ暗であるにもかかわらず、安全で見学しやすいことは重要な要素です。
次は、温度管理。一年中蛍を出生させる条件としては必須項目ですね。
「エアコン付ければいいでしょ?」
そうです。簡単なことですが、この温度管理は、しっかり考えないと、
ランニングコストを増大させてしまいます。
そして、水場とメンテナンスの空間。
水場が遠い部屋などでは、不足した水分を補給することですら、
うっかり床をぬらしてしまうなどの問題が発生します。
さらに、餌である貝を投与するためにストックする水槽なども必要となります。
「金魚飼うみたいには、いかないんだね。」
貝殻はかなり生じることになりますから、いつかは取らなければなりません。
最初から貝の中身だけ入れるにしても、そうした作業ができる場所が、
鑑賞水槽から近いところにあると便利です。
そのため、鑑賞水槽だけではなく、飼育に必要な様々な道具を置くスペースも、
水場と共に、蛍の鑑賞場所から近ところが適していることになります。
このホテルでは、営業していない屋台風ラーメン屋施設がフロアに残っていました。
〜やー!ここが、いいですぅ〜
おそらくは、5名程度しか座れないようなカウンターでしたが、
そのカウンター部分が、暗室化するのに大変適していたのです。
つまり、お客さんがラーメンを食べるために椅子に座っていたところは、
短い回廊の様になっていて、その両脇、カウンターの左右は扉があって、
天井さえ閉じれば、簡易に暗室化できるということがわかりました。
そして、カウンターの奥は当然厨房ですから、水場もあります。
餌の貝をストックする水槽も置くことができるということがわかりました。
もちろん、空調も付いています。
このため、通常は結構な費用のかかる暗室化が簡単に安くできます。
また、見学する際に、狭いけれど、とても近くで見ることができ、
真っ暗な中での人のぶつかり合いも、一列にしか、なれないスペースで結構安全。
「まぁ、いろいろな機能がいるけれど、それら全部を欲張ったら、
すんごい、投資額になってしまいますからね」
ということで、この場所に設置することが決まりました。
カウンター台は幅2m、奥行き50cm。そして天井まで70cmの高さの、
実にちょうど良い枠になっていました。
私は直ぐに、
〜高さはぴったり70cm、そして奥行きはびったり50cm、そして幅は1.5mの水槽をおきましょう!〜
とその場で提案いたしました。
「なんで?幅は1.5mなの?」
いやー、ちょっと運搬設置を考えると、それ以上はこの場所では無理と判断したからです。
ここの最大の特徴、そして最大の利点は、背面が厨房だったことです。
ほれ!流しがすぐ、後ろ。
見学者と管理場所を完全に分けることができるというのは理想形。
それが、ここでは実現できたんですね。
なんといっても、顔べったりで見ることができたので、
明るいときには、幼虫が餌を食べるとことや、成虫の姿や、卵まで、
夜には、成虫、幼虫の発光がちゃんと見学できる施設だったんですよ。
上陸する幼虫も、直ぐ近くで観察できました。
風呂上り、夕食前のひと時を、浴衣姿で蛍の鑑賞。
宴会後、ほろ酔い気分で、蛍の鑑賞。
まぼろしのやぅにも見える平家の光
光の飛翔で自分も見えた。
難点は、立って見るので、疲れたな・・・・。
光の強さや、その場の温度にマッチした植生が生えていってね、
月日が経てばどんどん自然ができていく。
そして、蛍の生体も、生まれて死んで生まれて死んでを繰り返し、
内部には、卵から、幼虫から蛹から、
成虫を含めてバランスよく存在していくことになりまする。
「うんうん。それで?」
ここではね。
とってもしっかり飼育してくれていたんです。
ウチも近いので時々メンテに行ってたし。
1年ちょっと経過して、ちょうどそれができてきて、成虫が毎日コンスタントに
20匹ぐらい見られるようになってね、そして春を迎えたときに、
終わったわけよ。
「はー。これからって、わけだったのね。」
現在このピカトープ150は、
足立区の生物園にありまする。(と、思いまする。)
いまでも
蛍はその中で飛んでいるのかなぁ・・・・
株式会社環境技術研究所
前橋工科大学梅津研究室
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Associate Professor Maebashi IInstitute of Technoloy |